FPGA アーキテクチャの理解 - 2019.2 Japanese

Vitis 統合ソフトウェア プラットフォームの資料: アプリケーション アクセラレーション開発 (UG1393)

Document ID
UG1393
Release Date
2020-02-28
Version
2019.2 Japanese

デザインを新しいターゲット プラットフォームに移行する前に、FPGA アーキテクチャの基礎を理解しておく必要があります。次の図に、ザイリンクス FPGA デバイスのフロアプランを示します。理解する必要のあるコンセプトは、次のとおりです。

  • SSI デバイス
  • SLR
  • SLR の配線リソース
  • メモリ インターフェイス
図 1. 4 つの SLR 領域を含むザイリンクス FPGA の物理的な表示

ヒント: 上記の FPGA フロアプランは、各 SLR に DDR メモリ インターフェイスを含む 4 つの SLR がある、SSI デバイスのものです。

スタックド シリコン インターコネクト デバイス

SSI デバイスでは、シリコン インターコネクトを介して複数のシリコン ダイが一緒に接続され、1 つのデバイスにパッケージされます。SSI デバイスを使用すると、かなり多くの接続が提供されるので、複数のダイ間でバンド幅の大きな接続ができるようになります。また、レイテンシもかなり低くなり、消費電力も複数の FPGA またはマルチチップ モジュールのいずれかのアプローチ方法よりもかなり低くなるほか、大量のインターコネクト ロジック、トランシーバー、およびオンチップ リソースを 1 つのパッケージに統合できるようになります。SSI デバイスの利点については、 『ザイリンクスのスタックド シリコン インターコネクト テクノロジで飛躍的な FPGA 容量、帯域幅、電力効率を実現』 (WP380: 英語版日本語版) を参照してください。

Super Logic Region

SLR (Super Logic Region) は、SSI デバイスに含まれる 1 つの FPGA ダイ スライスです。複数の SLR コンポーネントがアセンブルされて、SSI デバイスになります。各 SLR には、ほとんどのザイリンクス FPGA デバイスに使用される能動回路が含まれます。この回路には、次が多く含まれます。

  • LUT
  • レジスタ
  • I/O コンポーネント
  • ギガビット トランシーバー
  • ブロック メモリ
  • DSP ブロック

1 つまたは複数のカーネルを SLR 内にインプリメントできます。1 つのカーネルを複数の SLR にまたがってインプリメントすることはできません。

SLR の配線リソース

FPGA にインプリメントされるカスタム ハードウェアは、オンチップ配線リソースを介して接続されます。SSI デバイスの配線リソースには、次の 2 種類があります。

SLR 間リソース
SLR 間配線リソースは、ハードウェア ロジックの接続に使用される、高速リソースです。Vitis テクノロジでは、カーネルをインプリメントする際にハードウェア エレメントを接続するのに最適なリソースが自動的に選択されます。
SLL (Super Long Line) リソース
SLL は、1 つの領域から次の領域へロジックを接続するために使用される SLR 間の配線リソースです。これらの配線リソースは、SLR 間配線よりも遅くなります。ただし、カーネルが 1 つの SLR に配置され、そこに接続される DDR が別の SLR にある場合、Vitis テクノロジには自動的に専用ハードウェアをインプリメントして、パフォーマンスに影響なく SLL 配線リソースが使用されるようにします。配置の管理に関する情報は、カーネル配置の変更 を参照してください。

メモリ インターフェイス

SLR にはそれぞれ 1 つまたは複数のメモリ インターフェイスが含まれます。これらのメモリ インターフェイスは DDR メモリの接続に使用され、ホスト バッファーのデータがカーネル実行前にコピーされます。カーネルは、それぞれデータを DDR メモリから読み込んで、結果を同じ DDR メモリに書き戻します。メモリ インターフェイスは FPGA のピンに接続し、メモリ コントローラー ロジックを含めます。