Arm サブシステムを含むエンベデッド プラットフォームでは、Vitis ツールで QEMU を使用して PS サブシステムがエミュレートされます。QEMU プロセスは RTL シミュレータ プロセスと共に実行し、ハードウェア エミュレーションでシステム全体をエミュレートする必要があります。launch_emulator
は、QEMU を起動し、PL シミュレータ プロセスの同期を管理するユーティリティです。QEMU とシミュレーション プロセスを指定した引数を使用して実行します。Vitis IDE は、エミュレーターを開始および停止するのにこのコマンドを呼び出します。
エンベデッド プラットフォームでは、プラットフォームおよびターゲット アプリケーションに必要な引数を使用して launch_emulator
コマンドを呼び出すため、--package オプション コマンドで launch_hw_emu.sh または launch_sw_emu.sh スクリプトが生成されます。
launch_hw_emu.sh または launch_sw_emu.sh ラッパー スクリプトを使用する際、コマンド ラインで launch_emulator
に追加の引数を指定できます。スクリプトを実行するときに、コマンド ラインにオプションを追加します。これにより、使用するプラットフォームまたはアプリケーションをサポートするために必要に応じて launch_emulator
ユーティリティをカスタマイズできます。次の表に、使用可能なオプションを示します。
オプション | 有効な値 | 説明 |
---|---|---|
-add-env
|
"<name>=<value>" | QEMU/PMC/シミュレータを起動する前に環境変数を指定します。 |
-cardano
|
$XILINX_VITIS/cardano | XILINX_CARDANO の値を設定します。 |
-config-file
|
コンフィギュレーション ファイル (INI フォーマット) | コマンドの環境設定を指定するコンフィギュレーション ファイル。 |
-device-family
|
7Series | UltraScale | UltraScale+ | プラットフォームのデバイス ファミリを指定します。 これは、
|
-enable-debug
|
なし | QEMU と PL に 2 つの異なる XTERM を開くデバッグ モード。これは、バッチ モードを使用する場合に、フローおよび QEMU と PL プロセス間のハンドシェイクを理解するのに便利です。 |
-forward-port
|
<target> <host> | TCP ポートをターゲットからホストに転送します。 |
-gdb-port
|
ポート番号 | QEMU が指定したポート上の GDB 接続を待ちます。 |
-help
|
なし | ヘルプ メッセージを表示します。 |
-kill
|
<pid> | 指定したエミュレーター プロセスを停止します。 |
-no-reboot
|
なし | QEMU をリブートせずに終了します。組み込み Linux プロンプトで reboot -f コマンドを実行して QEMU を終了するために使用します。 |
-pid-file
|
ファイル名 | 後で -kill で使用するためプロセス ID をファイルに記述します。エミュレーションが問題なく実行された後、エミュレーションを停止するために Vitis ソフトウェア プラットフォームで使用されます。 |
-pl-sim-args
|
シミュレータに渡す引数 | シミュレータのコマンド ラインに追加する引数。pm-sim-args-file の代わりに使用します。 |
-pl-sim-args-file
|
シミュレーション引数を含むファイルの名前 | シミュレータに渡す引数を含むファイル。 |
-pl-sim-dir
|
シミュレーション ディレクトリ | スクリプトを実行してプログラマブル ロジック シミュレータを起動するディレクトリを指定します。これは、v++ パッケージで生成されるスクリプトで自動的に渡されます。指定したディレクトリに simulate.sh というファイルが含まれている必要があり、ツールはこれを実行して PL シミュレータ (XSIM など) を起動します。 |
-pl-sim-script
|
シミュレーション スクリプトの場所 | 上級ユーザーは、シミュレーションを起動する直接スクリプトを 1 つ含むことができます (Vivado ユーザーなど)。 このオプションを指定してスクリプトを実行する場合、ほかのオプションは無視されます。 |
-pmc-args
|
PMC に渡す引数 | PMC をエミュレートするするため MicroBlaze QEMU が実行されます。pmc_args.txt というファイルに記述する代わりに、PMC コマンド ラインに追加する必要のあるすべての引数を直接指定できます。-pmc-args-file の代わりに使用します。 |
-pmc-args-file
|
PMC QEMU の引数を含むファイルの名前 | PMU/PMC に渡す引数を含むファイル。これは特定のフォーマットで、選択したプラットフォームからベース ファイルをフェッチします。これは、v++ パッケージで生成されるスクリプトで自動的に渡されます。 |
-qemu-args
|
QEMU に渡す引数 |
qemu_args.txt というファイルに記述する代わりに、QEMU コマンド ラインに追加する必要のあるすべての引数を直接指定できます。qemu-args-file の代わりに使用します。 |
-qemu-args-file
|
PS QEMU の引数を含むファイルの名前 | QEMU に渡す引数を含むファイル。これは特定のフォーマットで、選択したプラットフォームからベース ファイルをフェッチします。これは、v++ パッケージで生成されるスクリプトで自動的に渡されます。 |
-qspi-high-image
|
QSPI ハイ イメージ ファイル |
ブート モードで QEMU 引数として渡されるイメージ ファイル。これは、 DUAL、QSPI モードを使用している場合にのみ必要です。 |
-qspi-image
|
SD カード イメージ ファイル (qspi.bin ) |
イメージ ファイルは、ブート モードで QEMU 引数として渡されます。これは、V++ パッケージで生成されるスクリプトで自動的に渡されます。 QSPI モードを使用する場合にのみ必要です。 |
-qspi-low-image
|
QSPI ロー イメージ ファイル | イメージ ファイルは、ブート モードで QEMU 引数として渡されます。これは、V++ パッケージで生成されるスクリプトで自動的に渡されます。 DUAL、QSPI モードを使用している場合にのみ必要です。 |
-sd-card-image
|
SD カード イメージ ファイル (sd_card.img) | イメージ ファイルは、ブート モードで QEMU 引数として渡されます。これは、V++ パッケージで生成されるスクリプトで自動的に渡されます。 SD モードを使用している場合にのみ必要です。 |
-sim-gui
|
なし | プログラマブル ロジック シミュレータを GUI で起動してデザインをデバッグします。 |
-t / -target
|
sw_emu または hw_emu | ソフトウェア エミュレーション (sw_emu ) またはハードウェア エミュレーション (hw_emu ) を実行することを指定します。
|
-timeout
|
<n> | <n> 秒後にエミュレーションを終了します。 |
-user-post-sim-script
|
シミュレーション後に終了前に実行する必要のある Tcl スクリプトへのパス | シミュレーション後に実行する操作を含む Tcl ファイルを作成し、そのファイルをこのオプションで指定します。 |
-user-pre-sim-script
|
Tcl スクリプトへのパス | 初回は GUI モードで launch_emulator を実行し、確認する信号を追加します。 Tcl コンソールからコマンドをコピーして Tcl スクリプトに保存します。 次回の実行から、次に示すようにバッチ モードで Tcl スクリプトを指定します。
Vivado シミュレータのみサポートされます。 |
-vivado
|
$XILINX_VIVADO |
VIVADO_LOC を設定します。これは、simulate.sh で simulation/c-model libraries を読み込むために使用されます。 |
-xtlm-aximm-log
|
なし |
v++ を -g を使用して実行した場合でも、波形のみを表示できます。ログはデフォルトではディスエーブルになっています。ランタイム時に、このオプションを使用して AXI4 メモリ マップ トランザクションのログをイネーブルにします。 |
-xtlm-axis-log
|
なし |
v++ を -g を使用して実行した場合でも、波形のみを表示できます。ログはデフォルトではディスエーブルになっています。ランタイム時に、このオプションを使用して AXI4-Stream トランザクションのログをイネーブルにします。 |