アプリケーション デザインのカーネルの合成中により良いパフォーマンスを達成するため、Vitis コンパイラは IP キャッシュを使用して合成結果を格納および再利用します。これにより、.xclbin ファイルのビルド プロセス中に変更されていないカーネルおよび CU の合成を繰り返す必要がなくなります。IP キャッシュには合成結果が格納され、それらがデザインで変更されていないカーネルに適用されます。
デフォルトでは、IP キャッシュはプロジェクトの Vitis IDE ワークスペースに保存されるか、コマンド ラインから v++
を実行する場合はビルド レベルに保存されます。IP キャッシュの場所を変更するには --remote_ip_cache
を使用して新しい場所を指定し、IP キャッシュをディスエーブルにするには --no_ip_cache
を使用します。これらのオプションの詳細は、Vitis コンパイラの一般オプション を参照してください。
manage_ipcache
ユーティリティは、IP キャッシュ リポジトリの内容を管理するのに使用するスタンドアロン ユーティリティです。このユーティリティを使用すると、IP キャッシュ リポジトリの統計をレポートしたり、条件を指定してエントリを削除したりできます。
オプション | 説明 |
---|---|
-c | --cache
|
必須。操作を実行する IP キャッシュ ディレクトリを指定します。 |
-d | --disk_space <size>
|
最も最近使用されたエントリから MB で指定されたディスク スペースに収まる分だけを除き、すべてのエントリを削除します。 |
-h | --help
|
manage_ipcache コマンドのヘルプを表示します。 |
-k | --keep_top <N>
|
最も最近使用された N 個のエントリを除き、すべてのエントリを削除します。 |
-o | --outfile <file>
|
IP キャッシュの統計を指定のファイルにレポートします。 |
-p | --purge
|
すべてのキャッシュ エントリを削除します。 |
-r | --report
|
IP キャッシュの統計を標準出力にレポートします。 |
-u | --unused
|
使用されたことのない (キャッシュ ヒットなしの) キャッシュ エントリを削除します。 |
次の例は、指定した IP キャッシュのエントリをレポートします。
manage_ipcache --cache ./ip_cache --report
manage_ipcache
コマンドが正常に実行された場合は 0 が返され、エラーが発生した場合は -1 が返されます。