コンパイル、リンク、およびパッケージ済みのアプリケーションを起動して Vitis IDE 内で実行またはデバッグするには、次の図に示すように Launch Configuration ダイアログボックスを使用する必要があります。ビルド プロセスが完了すると、Assistant ビュー内の Run ボタンと Debug ボタンの両方が有効になり、使用する起動コンフィギュレーション (Launch Configuration) を指定できます。
ヒント: 起動コンフィギュレーションは、アプリケーションの実行とデバッグの両方で同じです。アプリケーションの実行時またはデバッガーの起動時にツールが実行する手順には違いがありますが、両方の目的に同じ設定を使用できます。
起動コンフィギュレーションの設定を変更するには、ビルド ターゲットを選択し、Run ボタンをクリックして Run Configurations ダイアログボックスを開きます。Run Configuration ダイアログ ボックスでは、デバッグ オプションを指定し、実行しているアプリケーションのプロファイルを有効にしたり、収集するプロファイル データのタイプを指定したりできます。
図 1. run コンィギュレーション設定
ヒント: [Launch Configuration] ダイアログ ボックスに表示されるオプションは、データセンターおよびエンベデッド プロセッサ プラットフォーム、ソフトウェアおよびハードウェア エミュレーション ビルド、およびハードウェア ビルドによって異なります。
- Name
- 実行コンフィギュレーションの名前を指定します。Vitis IDE では、実行される特定のビルド コンフィギュレーションの実行コンフィギュレーションに基づいた名前のフォルダーが作成されます。たとえば、./project/Emulation-HW/run_config のようになります。このフォルダーには、アプリケーション実行の出力ファイルとログが書き込まれます。ホスト プログラムに渡される引数は、すべてこのフォルダーに対して相対的に記述する必要があります。
- Project
- 現在のプロジェクトを表示しますが、ほかの開いているプロジェクトに変更できます。
- Build Configuration
- 起動コンフィギュレーションを適用するビルド ターゲットを選択するか、アクティブなビルド コンフィギュレーションに適用します。
- Disable Build Before Launch
- このチェック ボックスをオンにすると、実行またはデバッグの前にプロジェクトは再構築されません。
- Target
- コンフィギュレーションの実行ターゲットまたはデバッグ ターゲットを指定します。アプリケーションおよびカーネルのデバッグ で説明するように、エミュレーション ビルドは Linux TCF エージェントをターゲットとしますが、ハードウェア ビルドには
hw_server
が必要です。 - [Remote Working Directory]
- エンベデッド プロセッサ システムの場合、QEMU 環境または物理デバイス用のマウント ディスクを指定します。
- Program Arguments
- [Programs Argument] ダイアログ ボックスを表示します。ここでは、必要に応じてアプリケーションのコマンド ライン引数を指定できます。Automatically update arguments チェック ボックスをオンにすると、アプリケーションの引数として xclbin ファイルが自動的に指定されるようになります。xclbin ファイルは、その他の指定した引数の後、コマンド ラインの最後に追加されます。
- Override Application Options
-
launch_emulator.py
コマンドのオプション ファイルを生成します。このファイルは手動で編集して、目的に合わせてカスタマイズできます。Generate ボタンをクリックして新しい launch_options.cfg ファイルを作成するか、Browse ボタンを使用して既存のファイルを検索します。 - Xilinx Runtime Profiling
- アプリケーションの実行中に有効にするプロファイリング機能とイベント トレース機能を指定します。指定されたオプションはコンフィギュレーション ファイルに保存され、アプリケーションの実行中に使用される xrt.ini ファイルに書き込まれます。Edit ボタンをクリックし、次のような Xilinx Runtime Profiling ダイアログ ボックスを開きます。
- Runtime Profiling
- 実行で有効にするプロファイルのタイプを指定します。アプリケーションでのプロファイリングのイネーブル で説明されるように、プロファイリング形式、またはプロファイリングとタイムライン キャプチャの形式を指定できます。 ヒント: ハードウェア ビルドの場合は、アクセラレータ カードの消費電力プロファイリングを有効にすることもできます。
- Device Profiling
- ハードウェア カーネルで実行されるプロファイリングのレベルを指定します。このオプションは、xrt.ini ファイル で説明されるように、
data_transfer_trace
に関連しています。コース (coarse) デバイス プロファイリングでは、CU のデータ転送アクティビティが表示されます。ファイン (fine) デバイス プロファイリングでは、ポート上のすべての AXI レベルのトランザクションが表示されます。 - Collect Stall Trace
- --profile オプション および xrt.ini ファイル で説明するように、さまざまな条件下のストール データの取り込みを指定します。
- Device Trace Offload
- アプリケーションでのプロファイリングのイネーブル に示すように、トレース データの取り込みに割り当てるグローバル メモリの量を指定します。また、指定した間隔でトレース オフロードを継続的に有効にして、プロセスが中断された場合にタイムライン トレース データが失われないようにします。
Launch Configuration ダイアログ ボックスには、アプリケーションのランタイム環境を設定しやすくするための追加タブが含まれるようになります。含まれるタブは、次の 3 つです。
- Target Setup
- 主にベアメタル アプリケーションを使用するエンベデッド プラットフォーム用です。ボード、デバイス、プログラムを初期化、管理、リセットするオプションが含まれます。
- Environment
- Vitis IDE に必要な環境変数を設定および管理できます。
- Common
- このタブは、Eclipse からのもので、Eclipse 環境に共通の設定および機能です。