Vitis コンパイラのコンフィギュレーション ファイル - 2021.2 Japanese

Vitis 統合ソフトウェア プラットフォームの資料: アプリケーション アクセラレーション開発 (UG1393)

Document ID
UG1393
Release Date
2022-03-29
Version
2021.2 Japanese

コンパイル設定ファイルは、Vitis コンパイラ オプションを指定するのにも使用できます。設定ファイルを使用すると、同様のオプションをグループ化でき、v++ コマンド ラインを短くできます。設定ファイルで制御できる機能には、次のものがあります。

  • カーネルのコンパイルを設定する HLS オプション
  • インスタンシエートするカーネルの数、カーネル ポートのグローバル メモリへの割り当てなど、システムのリンクに使用する接続指示子
  • Vivado Design Suite でハードウェア合成およびインプリメンテーションを制御する指示子。

一般的に、どの v++ コマンド オプションでも設定ファイルに指定できます。設定ファイルでは、関連のコマンドのグループを含むセクションを定義でき、ビルド オプションおよびストラテジを管理しやすくなっています。次の表に、定義済みのセクションを示します。

ヒント: コンパイル (v++ -c) コマンドとリンク (v++ -l) コマンドは、どちらも 1 つのコンフィギュレーション ファイルに入れることができますが、エラー チェックではコンパイル プロセス中のリンクに関連するエラー メッセージが表示されることがあります。このため、コンパイルおよびリンク用に別々のコンフィギュレーション ファイルを維持することをお勧めします。
表 1. 設定ファイルのセクション タグ
セクション名 コンパイラ/リンカー 説明
[advanced] 両方 --advanced オプション:
  • misc
  • param
  • prop
[clock] コンパイラ --clock オプション:
  • defaultFreqHz
  • defaultID
  • defaultTolerance
  • freqHz
  • id
  • tolerance
[connectivity] リンカー --connectivity オプション:
  • nk
  • sc
  • slr
  • sp
  • connect
[debug] リンカー --debug オプション
  • chipscope
  • list_ports
  • protocol
[hls] コンパイラ HLS 指示子 --hls オプション:
  • clock
  • export_mode
  • export_project
  • jobs
  • lsf
  • post_tcl
  • pre_tcl
[linkhook] リンカー --linkhook オプション
  • custom
  • do_first
  • do_last
  • list_steps
[package] packager --package オプション
  • aie_debug_port
  • bl31_elf
  • boot_mode
  • defer_aie_run
  • domain
  • dtb
  • enable_aie_debug
  • image_format
  • kernel_image
  • no_image
  • out_dir
  • ps_debug_port
  • ps_elf
  • rootfs
  • sd_dir
  • sd_file
  • uboot
[profile] リンカー --profile オプション
  • aie
  • data
  • exec
  • stall
  • trace_memory
[vivado] リンカー --vivado オプション:
  • impl.jobs
  • impl.lsf
  • impl.strategies
  • param
  • prop
  • synth.jobs
  • synth.lsf
ヒント: 設定ファイルにコマンドを追加するには、行を # で開始します。セクションの終わりは空行で示します。

v++ コマンドでは、1 つの v++ コマンド ラインで複数の設定ファイルがサポートされるので、コンパイル ストラテジ、リンク ストラテジ、または Vivado インプリメンテーション ストラテジを定義する関連のオプションに設定ファイルを分割し、ビルド プロセスで複数の設定ファイルを指定できます。

設定ファイルの指定はオプションです。ファイルの命名規則は特になく、指定できる設定ファイルの数は 0 以上です。すべての v++ オプションを 1 つの設定ファイルに含めることができますが、関連のオプションごとに設定ファイルを作成すると、ビルド ストラテジを管理しやすくなります。たとえば、[connectivity] 関連のオプションを 1 つのファイルに、[Vivado] オプションを別のファイルにグループ化するなどです。

Vitis コンパイラの一般オプション で説明するように、設定ファイルは v++ --config オプションで指定します。次に --config オプションの例を示します。

v++ --config ../src/connectivity.cfg

オプションは、記述された順に読み出されます。同じオプションが別の設定で指定されていた場合、最初に読み出されたオプションの設定が使用されます。オプションの優先順位は次のとおりです。

  1. コマンド ライン オプション。
  2. コマンド ラインの設定ファイルは左から右。
  3. 設定ファイル内では上から下。