タイミング クロージャのための複数のインプリメンテーション ストラテジの実行 で説明するように、v++ リンク ステップでは、異なる手法を使用して Vivado インプリメンテーションを複数回繰り返し実行して、タイミング クロージャを達成できます。Vitis アナライザーでは、複数のインプリメンテーションを試みた結果を視覚化して比較できます。説明したように、Vitis コンパイラは、最初に完了したタイミングを満たす実行を自動的に選択し、そのビルドを続行して、デバイス バイナリ (xclbin) を生成します。これには、その 1 つの実行に対してのみレポート ファイルを記録することも含まれます。ただし、xclbin ファイルの生成に進む前に、すべてのインプリメンテーション実行が完了するまで Vitis コンパイラを待機させることができます。この場合、各インプリメンテーション実行の結果は、link_summary で生成して、Vitis アナライザーで確認および比較します。
複数のインプリメンテーション ストラテジがあるリンク サマリの場合、次の図に示すように、Report Navigator ペインに各ストラテジが表示されます。これらの各ストラテジには、Timing Summary レポートが含まれます。xclbin は 1 つのストラテジに対してのみ生成されますが、Link Summary レポートはすべてのインプリメンテーション実行で使用でき、有益なリソースおよびタイミング情報を抽出できます。
Vitis アナライザーの Timing Summary レポートは、Vivado 配置配線によって生成される完全な Timing Summary レポートの簡易バージョンです。簡略化されたレポートには、デザインのワースト セットアップ、ホールド、およびパルス幅パスのみが表示されます。このレポートは、Vivado プロジェクトまたはネットリストを開かなくても表示できるため、タイミングを満たさなかったパスにすばやく移動できます。詳細は、次に示すようにレポート ビューアに表示されます。Timing Summary が表示され、デザインで観察されたワースト セットアップ、ホールド、およびパルス幅の詳細なパス レポートも表示されます。完全なタイミング レポートを表示するには、T ツールバー ボタンをクリックして、レポートのテキスト バージョンを表示します。
