AI エンジン デザインを検証するには、Model Composer Hub ブロックの [Block Parameters] ダイアログ ボックスで Create testbench をオンにし、使用可能なシミュレータ オプションを選択します。
Create testbench をオンにすると、デザイン入力のテスト データまたはスティミュラスが記録され、後で理想的なゴールデン結果として使用できるように、シミュレーション結果がテスト ベクターとして保存されます。デフォルトでは、シミュレータは選択されていません。デザインを検証するには、Run AIE simulation オプションをオンにする必要があります。
シミュレーション タイムアウト値は、シミュレーションの実行を指定したサイクル数までに制限します。これは、入力データの量が限られているために必要です。タイムアウト値を指定しないと、AI エンジン カーネルが恒久的に繰り返し実行され、グラフが無限に実行されます。この状況を回避するには、次の図に示すように、[Run AIE Simulation] をオンにして [Simulatin timeout] に値を指定します。
デフォルトのタイムアウト値は 50,000 サイクルで、このクロック サイクル数後にシミュレーションが終了します。
Create testbench のみをオンにした場合、コードが生成され、Model Composer で作成されるターゲット ディレクトリに、コード生成 記載されているファイルに加え、次のファイルが作成されます (これが作成されるすべてではない場合あり)。
ディレクトリ/ファイル | サブディレクトリ/ファイル | 説明 |
---|---|---|
data/ | input/ | Simulink からの入力スティミュラス ファイルが含まれます。 |
reference_output/: | Simulink からのシミュレーション出力ファイルが含まれます。 |
シミュレータ オプションをイネーブルにすると、AI エンジン コード検証が次の 3 つの段階で実行されます。
- AI エンジン グラフ デザインをコンパイル。
- AI エンジン シミュレータを使用してシミュレーションを実行。
- 出力とゴールデン基準出力と比較してシミュレーション結果を検証。
Generate and Run をクリックすると、[Progress] ウィンドウで AI エンジン グラフ コードのコンパイル、シミュレーション、および検証の進捗状況を確認できます。
コンパイルとシミュレーションが正しく実行されると、Model Composer によりターゲット出力がゴールデン出力と自動的に比較され、[Progress] ウィンドウまたは対応するシミュレーション ログ ファイルに次のようなメッセージが表示されます。
Comparing simulation results ...
Output data file : data/aiesimulator_output/Outl.txt.mod
reference data file : data/reference_output/Outl.txt
Simulation results MATCH.
**********************************************************
Test PASSED
Verification Complete
ファイル名/親ディレクトリ | ファイル名/サブディレクトリ | 説明 |
---|---|---|
data/ | aiesimulator_output/ | AI エンジン シミュレーションの出力を記録する .txt ファイルが含まれます。実際の出力ファイルに加え、ゴールデン結果との違いを示す .diff ファイルも生成されます。 |
これに加え、aiecompiler
により、さまざまな設定およびバイナリ ファイルが Work_aiesim ディレクトリに生成されます。コンパイル用のディレクトリの構造と内容の詳細は、
『Versal ACAP AI エンジン プログラム環境ユーザー ガイド』 (UG1076) を参照してください。
Run AIE Simulation オプションをオンにすると、次の図に示すオプションが設定可能になります。1 つまたはすべてのオプションをオンにし、Generate and Run をクリックします。