熱シミュレーションの結果 - 2021.2 日本語

熱シミュレーションを完了し、Theta Ja (Ɵ_JA) 値を取得したら、この情報を使用して Power Design Manager の見積もりをさらに絞り込むことができます。最初に熱シミュレーションを実行する場合は、最悪のケースの Tj を想定する必要があります。K26 SOM の見積もりは Ɵ_JA を計算した後で改善できます。このフローの詳細は、 『ザイリンクス FPGA および SoC 用 UltraFast 設計手法ガイド』 (UG949) を参照してください。

Θ_JA は、デバイスの消費電力 (Pd) ごとにジャンクション温度 (Tj) が周囲温度 (Ta) をどのように上昇させるかを示す測定値です。単位は C/W で、次の式を使用して計算されます。

Θ_JA = (Tj – Ta)/ Pd

[Environment] の表で、デフォルトの Ɵ_JA を熱シミュレーション結果からの Ɵ_JA で上書きし、周囲温度を指定します。PDM はこれらの値を使用してジャンクション温度を計算し、消費電力の見積り精度を改善します。

次の例では、[User Override OFF] を選択した場合、Ɵ_JA が 2.0 C/W で、Ta = 40^oC が入力されています。K26 の電力は 7.2 W と見積もられ、Tj は 54.4^oC と見積もられます。これにより、K26 Zynq® UltraScale+™ MPSoC デバイスのスタティック消費電力をより正確に見積もることができます。