各デザイン フローでの Vivado ツールの使用方法 - 2022.1 日本語

Versal ACAP デザイン ガイド (UG1273)

Document ID
UG1273
Release Date
2022-04-27
Version
2022.1 日本語

Vivado Design Suite は、すべての Versal ACAP デザイン フローにおいて重要なコンポーネントとなります。デザイン フローに基づく Vivado ツールの主な使用モデルは次のとおりです。

  • 従来のデザイン フロー
    • RTL および IP デザインの作成
  • プラットフォーム ベース デザイン フロー
    • Vitis 環境のデザイン フローで使用するための RTL カーネルの作成とパッケージ
    • Vitis 環境のデザイン フローで使用するためのプラットフォームの作成とパッケージ
    重要: プラットフォーム ベースのデザイン フローを使用している場合、ザイリンクスは、設計の開始時に使用できる標準プラットフォームを提供しています。これは、Vivado IP インテグレーターを使用して、ターゲット システム アプリケーションに適合するようにカスタマイズして再生成できます。詳細は、ザイリンクス ウェブサイトの ダウンロード ページにある [Vitis エンベデット プラットフォーム] タブをクリックしてください。

Vivado ツールを使用してデザインの作成、インプリメンテーション、および PL の解析が可能。一般的なタスクは次のとおりです。

  • ロジック シミュレーション
  • 制約の定義とタイミング解析
  • NoC コンパイル
  • I/O およびクロック プランニング
  • ロジック合成およびインプリメンテーション
  • デザイン ロジックの視覚化
  • デザイン ルール チェック (DRC) と設計手法チェック
  • インプリメンテーション結果の解析
  • 消費電力と熱解析
  • プログラムとデバッグ

RTL および IP デザインの作成

Vivado ツールは従来の RTL および IP デザイン フローをサポートしています。Vivado IP インテグレーターは、デザインのアセンブリの自動化に利用できます。RTL 開発者は、Versal ACAP で利用可能な新しい IP と、それらの使用に関連する要件を把握しておく必要があります。

  • すべてのデザインには、デバイスのブートに使用される PMC を含む CIPS IP が必要です。CIPS IP は、PS ペリフェラルおよび SYSMON IP の使用にも使用されます。詳細は、 『Control Interfaces and Processing System LogiCOREIP 製品ガイド』 (PG352) を参照してください。
  • デバイス上の DDRMC へは、NoC IP を介してのみアクセスできます。詳細は、 『Versal ACAP Programmable Network on Chip および Integrated Memory Controller LogiCORE IP 製品ガイド』 (PG313) を参照してください。
  • ハードウェア デバッグ フローは、以前のデバイスのものとは異なります。詳細は、 『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: プログラムおよびデバッグ』 (UG908) を参照してください。

RTL カーネルの作成とパッケージ

Vivado ツールを使用して、Vitis リンカーで使用する RTL カーネルをパッケージできます。このオプションは、Vivado IP パッケージャーで利用できます。これにより、IP は XO ファイルにパッケージされて、Vitis システム リンカーによって最終デザインにリンクされます。制約を含む RTL カーネルの詳細は、 『Vitis 統合ソフトウェア プラットフォーム資料: アプリケーション アクセラレーション開発』 (UG1393)このセクション を参照してください。

プラットフォームの作成とパッケージ

Vivado ツールを使用して拡張プラットフォームを作成し、その後、Vitis ツールを使用してプロセッシング システムで拡張できます。プラットフォームには通常、基本的なシステム レベルのリソースが含まれており、これらは PS、NoC、DDRMC、およびプライマリ I/O といったアクセラレータで共有されます。ハードウェア プラットフォームの定義の詳細は、 『Vitis 統合ソフトウェア プラットフォーム資料: アプリケーション アクセラレーション開発』 (UG1393) を参照してください。
注記: これは、AI エンジン リソースの使用をサポートする唯一のデザイン フローです。

ザイリンクスでは、次を推奨します。

  • プラットフォームには必須の Versal ACAP ブロックとボード インターフェイス IP のみを含める
    • 必須ブロック: CIPS、NoC、AI エンジン、Clocking Wizard、割り込みコントローラー
    • インターフェイス ブロック: 高速 I/O、メモリ コントローラー
  • ストリーミングまたはメモリ マップド インターフェイスやその他のプラットフォーム ストリーミング インターフェイスを介して AI エンジン と相互作用する RTL モジュールを、Vitis RTL カーネルにマップする

このアプローチの利点は次のとおりです。

  • プラットフォームの再利用性が高まる
  • タスクの分離が促進される
  • 統合プロセスの自動化機能が向上する
  • DFX の範囲と可能性が拡大する