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Vitis™
アナライザーは、アプリケーションのビルドおよび実行中に生成されるレポートを表示および解析できるユーティリティです。アプリケーションがビルドされる際の Vitis コンパイラと、アプリケーションが実行される際のザイリンクス ランタイム (XRT) ライブラリの両方で生成されるレポートを確認できます。Vitis アナライザーでは、v++
コマンド ライン フローと Vitis 統合設計環境 (IDE) の両方からのレポートを表示できます。このツールは、vitis_analyzer
を使用すると起動します (Vitis 環境の設定 を参照)。
最初に起動した場合は、Vitis アナライザーのホーム画面が表示され、サマリ ファイル、バイナリ コンテナー、ディレクトリのいずれかを開くことができるようになっています。これらのリンクのいずれかをクリックすると、ファイル ブラウザーが開き、説明される特定のタイプのファイルを選択できます。
- Open Summary
- [Report Summaries] は、Vitis ツールでのアプリケーション開発の特定の段階に関連するレポートのコレクションです。ビルド プロセスの 2 段階、コンパイルとリンク、およびアプリケーションが実行されたときの run プロセスで作成されたサマリがあります。Open
Summary をクリックすると、次のいずれかを開くことができます。
- Compile Summary
- コンパイル サマリ レポートは、コンパイル中に
v++
コマンドで生成され、カーネル コンパイル プロセスのステータスを表示します。このレポートのコレクションには、サマリ レポート、タイミングおよびリソースの見積もりのためのカーネル見積もり、コンパイルのための推奨事項を含むカーネル ガイダンス、および Vitis HLS からの HLS 合成ログが含まれます。 - Link Summary
- リンク サマリ レポートは、リンクおよび
v++
ファイルの作成中に .xclbin コマンドで作成されます。このレポートのコレクションには、サマリ レポート、ハードウェア デザインを示すシステムおよびプラットフォーム ダイアグラム、タイミングとリソースの見積もりを提供するシステム見積もり、リンクの改善とシステムのパフォーマンスを向上させるための推奨事項を示すシステム ガイダンスが含まれます。また、インターフェイス接続、クロック、リセット、および割り込みなどのデザインの詳細を提供する Vivado オートメーション サマリも含まれます。 - Package Summary
- パッケージ サマリ レポートは
v++ --package
コマンドで生成され、エミュレーション スクリプトと SD カード出力の生成に関する情報を表示します。[Package Summary] レポートを表示すると、コマンド ラインで使用されたコンフィギュレーション ファイルと、生成されたログ ファイルも参照されます。 - Run Summary
- XRT ライブラリにより、アプリケーション実行中に実行サマリ レポートが作成されて、実行プロセスのサマリが表示されます。実行サマリ レポートには、ガイダンス、プロファイル サマリ、タイムライン トレース、プラットフォームおよびシステム ダイアグラム、シミュレーション波形 (イネーブルにした場合のみ) など、アプリケーション実行中に生成されるレポートも表示されます。重要: アプリケーションのランタイム実行時に生成されるレポートには、アプリケーションのプロファイリングで説明されるように、事前の設定が必要です。
v++
ビルド プロセス後にアプリケーションを実行すると、リンク サマリからの ID が実行サマリに割り当てられます。実行サマリおよびリンク サマリを開くと、Vitis アナライザーはその共通 ID に基づいてそれらをリンクします。 - AI Engine Compile and Run Summaries
-
Vitis アナライザーでは、Versal
AI エンジン のコンパイルおよび実行プロセスのレポートを表示することもできます。これらのレポートは、
『Versal ACAP AI エンジン プログラム環境ユーザー ガイド』
(UG1076) で説明するように、
aiecompiler
およびaiesimulator
で生成されます。
- Open Binary Container
- 選択した .xclbin ファイルを開いて、そのビルドのプラットフォーム図とシステム ダイアグラムを表示します。
- Open Directory
- 開くディレクトリを指定します。ディレクトリの内容が繰り返し検証されて、どのタイプのファイルを開くか、どの個別ファイルを開くかを選択できるダイアログ ボックスが表示されます。
vitis_analyzer
コマンドでは、ツールを起動してホーム画面を表示できるほか、ツールを開いたときに読み込むファイルを指定できます。ファイル名を指定すると、そのファイルを開くことができます。Vitis アナライザーでは、サマリ レポートの使用 に示すツールでサポートされるファイルはどれでも開くことができます。次に例を示します。
vitis_analyzer xrt.run_summary
vitis_analyzer
のコマンド ヘルプは、次のように入力すると表示できます。
vitis_analyzer -help