ハードウェア デバッグのため、デバイス バイナリ (.xclbin) でデバッグ IP コア挿入をイネーブルにできます。このオプションでは、追加するデバッグ コアのタイプと、
ChipScope™
で監視する計算ユニットおよびインターフェイスを指定できます。--debug.xxx
オプションを使用すると、デバッグおよびパフォーマンス監視目的に、そのインターフェイスで AXI プロトコル チェッカーと System ILA コアをカーネルまたは計算ユニット (CU) に接続できます。
- System Integrated Logic Analyzer (ILA) を使用すると、トランザクション レベルでアクセラレーション カーネルまたはハードウェアで実行される関数を表示できます。System ILA コアでは、特定の AXI トラフィックをキャプチャして表示させることもできます。
- AXI Protocol Checker デバッグ コアは、アクセラレーション カーネル上の AXI4 インターフェイスを監視します。CU のインターフェイスに接続すると、プロトコル違反をアクティブにチェックし、違反が発生した場合にそれを通知します。
--debug.xxx
コマンドは、コンフィギュレーション ファイルの [debug]
セクション ヘッドの下で次のフォーマットを使用して指定できます。
[debug]
protocol=all:all # Protocol analyzers on all CUs
protocol=cu2:port3 # Protocol analyzer on port3 of cu2
chipscope=cu2 # ILA on cu2
--debug
には、次のようなオプションがあります。
--debug.aie.chipscope
--debug.chipscope <interface_name> | <adf_graph_arg_name>
Versal
AI エンジン ~ ChipScope のハードウェア デバッグをイネーブルにします。<interface_name>
引数は、AI エンジン PLIO インターフェイスや AXIS インターフェイスなどの PL 以外のカーネル インターフェイスに適用されます。<adf_graph_arg_name>
には、グラフの引数を指定します。
--debug.chipscope
--debug.chipscope <cu_name>[:<interface_name>]
デザイン内の指定された CU に System Integrated Logic Analyzer デバッグコアを追加します。
--debug.chipscope
オプションでは、<cu_name>
を指定する必要があり、all
キーワードは使用できません。<interface_name>
を指定することもできます。たとえば、次のコマンドは、vadd_1
CU に ILA コアを追加します。
v++ --link --debug.chipscope vadd_1
--debug.list_ports
現在のデザインの有効な計算ユニットとポートの組み合わせのリストを表示します。この情報は、--debug
コマンド用にコマンド ラインやコンフィギュレーション ファイルを作成するのに役立ちます。
このオプションはリンク中に指定する必要がありますが、リンク プロセスは実行されません。次の例は、コマンド ラインに必要な要素を示しており、指定したカーネルをリストされたプラットフォームにリンクする場合に使用可能なポートを返しています。
v++ --platform <platform> --link --debug.list_ports <kernel.xo>
--debug.protocol
--debug.protocol all|<cu_name>[:<interface_name>]
デザインに AXI Protocol Checker デバッグ コアを追加します。これは all
キーワードで指定できます。また、<cu_name>
およびオプションの <interface_name>
を使用すると、プロトコル チェッカーを指定の CU およびインターフェイスに追加することもできます。
次に例を示します。
v++ --link --debug.protocol all