コマンド ラインの使用方法
Vitis ソフトウェア プラットフォームのスタンドアロン デバッグ機能を使用すると、Vitis IDE を起動して既存のコマンド ライン プロジェクトをデバッグできます。次のセクションでは、各コマンド ライン オプションの説明のほか、さまざまなプラットフォームおよびターゲット ビルドのスタンドアロン デバッグ環境の起動例を示します。
-debug
vitis -debug
Vitis IDE をスタンドアロン デバッグ モードで起動します。
-flow
-flow [ data_center | embedded_accel | embedded ]
デバッグされるアプリケーション プロジェクトのタイプを指定します。これにより、たとえば zcu104_base
などのエンベデッド プラットフォームで実行されるアプリケーション アクセラレーション プロジェクトやエンベデッド ソフトウェア プロジェクトなど、Vitis IDE が Alveo で実行されるデータセンター アプリケーションのデバッグ用に設定されます。
embedded
および embedded_accel
フローの場合、--package
段階 (エンベデッド プラットフォームのパッケージ を参照) で生成される launch_hw_emu.sh または launch_sw_emu.sh スクリプト、または launch_emulator.py
コマンドを使用して QEMU システム エミュレーターを起動する必要があります。-workspace
-workspace <workspace>
アプリケーション プロジェクトをデバッグ モードで開いたときに使用する Vitis IDE ワークスペースを指定します。このオプションを指定しない場合、現在の作業ディレクトリに workspace という名前のディレクトリが作成されます。workspace という名前のディレクトリが既にある場合は、それがワークスペースとして使用されます。
-exe
-exe <path_to_executable>
アプリケーション実行ファイルのファイル名とパスを指定します。
次に例を示します。
vitis -debug -exe ./host.elf
-target
-target [ sw_emu | hw_emu | hw ]
data_center
および embedded_accel
フローにのみ適用されます。次に例を示します。
vitis -debug -target hw_emu
-program-args
-program-args <program arguments>
ランタイム時にホスト アプリケーションに渡すコマンド ライン引数を指定します。指定しない場合に data_center
または embedded_accel
フローが選択されていると、.xclbin
が引数として渡されます。
次に例を示します。
vitis -debug -program-args ./xclbin in.dat
-kernels
-kernels <list of kernels>
デバッグするカーネルのリストを指定します。複数のカーネル名は、カンマで区切って指定できます。リストされるカーネルは関数レベルのブレークポイントとして定義されるので、デバッガーはカーネル実行が開始されると停止します。カーネルを指定しない場合、関数レベルのデバッグは提供されません。
これは data_center
フローにのみ使用できます。embedded
または embedded_accel
フローの場合はサポートされません。
次に例を示します。
vitis -debug -kernels mmult madd
-work-dir
-work-dir <path_to_working_directory>
生成された出力ファイルとレポートを保存する作業ディレクトリを指定します。これは data_center
および embedded_accel
フローにのみ使用できます。
data_center
フローの場合、これが指定した .exe の起動されるディレクトリです。embedded_accel
フローの場合、起動ディレクトリは -target-work-dir
で定義されます。
-target-work-dir
-target-work-dir <Target working directory>
ターゲット ボード OS のディレクトリ、実行ファイルが起動される QEMU 環境を指定します。これは embedded_accel
に使用できるほか、Linux OS を使用した embedded
フローにも使用できます。
-xrt-ini
-xrt-ini <path_to_xrt.ini>
xrt.ini ファイルのディレクトリを指定します。data_center
および embedded_accel
フローにのみ使用できます。
ディレクトリを指定すると、アプリケーションの .exe ファイルと同じディレクトリまたは作業ディレクトリが検索されます。
-os
-os [ linux | baremetal ]
ターゲット ボード上で実行される OS を指定します。これは embedded
フローにのみ使用できます。
-host
-host <host_name or ip_address>
TCF エージェントまたは hw_server
が実行されるホスト システムの名前または IP アドレスを指定します。embedded_accel
および embedded
フローにのみ使用できます。指定しない場合、デフォルトのホスト名はベアメタルの場合 localhost
に、デフォルトの IP アドレスは Linux ターゲット OS の場合 192.168.0.1 になります。
-port
-port <port number>
ターゲット Linux で実行される TCF エージェントのポート、またはベアメタルの場合はローカル ホストで実行される hw_server
のポートを指定します。指定しない場合、ポートは TCF エージェントで 1534、hw_server
で 3121 になります。
-launch-script
-launch-script <path_to_tcl_script>
アプリケーションをデバッガーに接続する前に読み込む Tcl スクリプトを指定します。これは、ベアメタル OS を使用した embedded
フローにのみ使用できます。Tcl スクリプトには、ボードを初期化し、アプリケーションをダウンロードし、ブレークポイントを追加し、デバッガーでターゲットを接続できるようにするコマンドが含まれます。