Gain - 2022.1 日本語

Vitis Model Composer ユーザー ガイド (UG1483)

Document ID
UG1483
Release Date
2022-05-26
Version
2022.1 日本語

入力を要素ごとに定数ゲイン係数で乗算します。

ライブラリ

Math Functions / Math Operations

説明

入力信号を定数ゲイン係数で乗算します。

ゲイン定数のデータ型を指定でき、ビルトインのデータ型上位変換規則が適用されて出力のデータ型が決定されます。出力のデータ型は入力のデータ型と同じにすることもできます。整数のオーバーフローが発生する可能性を考慮して、このブロックでは出力のデータ型の上下限で出力値を飽和させるオプションもサポートされています。

シミュレーション中に整数出力のオーバーフローが発生すると、警告またはエラーが生成されます。これを設定するには、Simulink エディターのモデルで Simulation > Model Configuration Parameters > Diagnostics > Data Validity をクリックし、Wrap on overflow または Saturate on overflow パラメーターを設定します。

データ型サポート

ブール型以外のデータ型すべてがサポートされます。

このブロックでサポートされるデータ型は、次のとおりです。
  • 入力には、スカラー、ベクター、または行列を使用できます。
  • 入力がベクターまたは行列で Gain がスカラーの場合、スカラー値が入力のすべての要素に適用されます。
  • 入力もゲイン定数もスカラーでない場合は、入力の次元とゲイン定数の次元は同じにする必要があります。

Gain 定数または入力のいずれかが複素数の場合、出力は複素数になります。

パラメーター

Gain

定数ゲイン係数を指定します。Gain には、実数または複素スカラー、ベクター、行列に評価される有効な MATLAB 式を指定できます。

Gain data type

乗算の前に Gain 係数定数に適用する変換タイプを指定します。fixed を指定すると、さらに多くのパラメーターを設定できるようになります。

Gain data type パラメーターの設定は、次のとおりです。

表 1. [Gain data type] パラメーター
設定 説明
double 倍精度浮動小数点
single 単精度浮動小数点
int8 8 ビットの符号付き整数
uint8 8 ビットの符号なし整数
int16 16 ビットの符号付き整数
uint16 16 ビットの符号なし整数
int32 32 ビットの符号付き整数
uint32 32 ビットの符号なし整数
fixed 固定小数点型
half 半精度浮動小数点型
data type expression

出力のデータ型を指定する文字列。詳細は、 『Vitis Model Composer ユーザー ガイド』 (UG1483) の「データ型式の使用」を参照してください。

Output data type same as input パラメーターがオンの場合以外は、出力のデータ型は入力のデータ型と Gain data type で指定されたゲインのデータ型により決定されます。

  • 入力またはゲインのいずれかが浮動小数点型 (double、single、または half) の場合、出力は浮動小数点型になります。両方が浮動小数点型の場合は、出力のデータ型は大きい方になります。小さい方のデータ型は演算の前に大きい方のデータ型に変換されます。
  • 入力または Gain data type のいずれかが固定小数点型の場合、出力は結果を含めるのに十分なビット幅の固定小数点型になります。もう一方 (入力または Gain data type) は等価の固定小数点型に変換されます。
  • 入力および Gain data type が整数型の場合、出力のデータ型は入力または [Gain data type] の大きい方となり、いずれかが符号付きである場合は符号付きになります。

Output data type same as input

出力のデータ型を決定する方法を指定します。

オフの場合、出力のデータ型はビルトインのデータ型上位変換規則により決定されます。オンの場合、出力のデータ型は入力のデータ型と同じになります。

Saturate on integer overflow

整数オーバーフローが発生した場合の処理を指定します。デフォルトではこのオプションはオフになっており、オーバーフローが発生すると値が折り返されます。オンにすると、出力のデータ型の上限で飽和させることにより整数のオーバーフローが軽減されます。

Saturate on integer overflow パラメーターの設定は、次のとおりです。

表 2. [Saturate On Integer Overflow] パラメーター
設定 説明
オフ 折り返し
オン 飽和

オーバーフローが検出されると、Simulink エディターで指定した診断操作に応じて Diagnostic Viewer にメッセージが表示されます。これを設定するには、Simulink エディターのモデルで Simulation > Model Configuration Parameters > Diagnostics > Data Validity をクリックし、Wrap on overflow または Saturate on overflow パラメーターを設定します。