[Other] シートの使用 (7 シリーズ、Zynq-7000 SoC、UltraScale、UltraScale+ デバイス) - 2022.1 日本語

Xilinx Power Estimator ユーザー ガイド (UG440)

Document ID
UG440
Release Date
2022-04-26
Version
2022.1 日本語

[Other] シートを使用することで、次のデバイス機能に関連する消費電力量を計算できます。

XADC

(7 シリーズおよび Zynq-7000 SoC のみ) XADC (ザイリンクス アナログ-デジタル コンバーター) は、ザイリンクス 7 シリーズ デバイスのアナログ ミックスド シグナル機能を実現する基本的な構築ブロックです。XADC には 12 ビット、毎秒 1 メガサンプル (MSPS) の ADC が 2 つとオンチップ センサーが含まれます。

7 シリーズまたは Zynq-7000 SoC では、XADC が使用されていない場は SYSMON への電源を切断して消費電力を削減できます。デバイス コンフィギュレーション レジスタのパワーダウン ビットをセットすることにより、または VCCADC 電源を切断することにより、XADC への電源を切断する場合は、XADC の表で Powered Down を [Yes] に設定します。XADC への電源を切断しない場合は、Powered Down を [No] に設定します。

XADC Clock (MHz) - XADC がデザインで使用されている場合、DRP クロックの周波数を指定します。デザインで XADC をインスタンシエートしない、または XADC への電源が切断される場合は、空白のままにします。

注記: FPGA では XADC はデフォルトでオンになっているため、XADC の消費電力はスタティック消費電力の一部としてレポートされます。

XADC については、 『7 シリーズ FPGA および Zynq-7000 SoC XADC デュアル 12 ビット 1MSPS アナログ-デジタル コンバーター ユーザー ガイド』 (UG480) を参照してください。

SYSMON

(UltraScale および UltraScale+ デバイスのみ) システム モニター (SYSMON) は、オンチップ温度センサーおよび電源センサー、外部アナログ入力、内蔵アナログ-デジタル コンバーター (ADC) を使用して、UltraScale デバイスの物理的環境をモニターします。

UltraScale デバイスでは、SYSMON が使用されていない場は SYSMON への電源を切断して消費電力を削減できます。デバイス コンフィギュレーション レジスタのパワーダウン ビットをセットすることにより、または VCCADC 電源を切断することにより、SYSMON への電源を切断する場合は、SYSMON の表で Powered Down を [Yes] に設定します。SYSMON への電源を切断しない場合は、Powered Down を [No] に設定します。
注記: FPGA では SYSMON はデフォルトでオンになっているため、SYSMON の消費電力はスタティック消費電力の一部としてレポートされます。

Clock (MHz) - SYSMON がデザインで使用されている場合、DRP クロックの周波数を指定します。デザインで SYSMON をインスタンシエートしない、または SYSMON への電源が切断される場合は、空白のままにします。

SYSMON については、 『UltraScale アークテクチャ システム モニター ユーザー ガイド』 (UG580) を参照してください。

Config
[Config] (コンフィギュレーション) の表では、次のデバイス コンフィギュレーション機能を指定できます。
リードバック CRC のクロック (MHz)

ザイリンクス 7 シリーズおよび UltraScale デバイスには、ユーザー デザインのバックグラウンドで継続的にコンフィギュレーション データのリードバックを実行する機能があります。この機能は、コンフィギュレーション メモリのビットをフリップさせる SEU (Single Event Upset) を簡単に検出できるようにするもので、SEU の修正など高度な処理を実行するための FRAME ECC 機能と組み合わせて使用できます。この機能を XPE の消費電力の見積もりに組み込むには、Config の表に ReadBack CRC クロック周波数を入力します。この機能が使用されていない場合は、空白のままにします。

[Readback CRC] については、 『7 シリーズ FPGA コンフィギュレーション ユーザー ガイド』 (UG470) または 『UltraScale アーキテクチャ コンフィギュレーション ユーザー ガイド』 (UG570) を参照してください。

Config Bank Voltage

デバイスにあるコンフィギュレーション関連 I/O バンクの I/O 電圧動作範囲と電圧耐性を決定する、コンフィギュレーション バンク電圧セレクト (CFGBVS) を指定します。

コンフィギュレーション バンク電圧については、 『7 シリーズ FPGA コンフィギュレーション ユーザー ガイド』 (UG470) または 『UltraScale アーキテクチャ コンフィギュレーション ユーザー ガイド』 (UG570) を参照してください。

PHASER

7 シリーズ デバイスには、高速メモリ デバイスとのインターフェイスを簡略化するための Phaser ブロックがあります。これらのブロックの消費電力の見積もりは、[Other] シートの表にレポートされます。各 [Phaser] の設定については、Zynq-7000 SoC および Zynq-7000 SoC および 7 シリーズ デバイス メモリ インターフェイス ソリューション ユーザー ガイド』 (UG586) を参照してください。

[Phaser] の表の Phaser INs 列では、使用する PHASER_IN および PHASER_IN_PHY ブロックの数を指定します。同様に、Phaser OUTs 列は PHASER_OUT と PHASER_OUT_PHY の両ブロックに使用します。

VCU

Zynq UltraScale+ EV デバイスには、VCU (ビデオ コーデック ユニット) があります。VCU は、High Efficiency Video Coding (HEVC) 規格 (例: H.265) および Advanced Video Coding (AVC) 規格 (例: H.264) などを含む複数規格のビデオ エンコードおよびデコード機能を提供します。この VCU は最大 4Kx2K (60fps) のレートでビデオ ストリームのエンコードとデコードを同時に実行できます。

XPE の [Other]Other Sheetシートには、VCU ブロックの消費電力を見積もるための VCU パラメーターを入力します。この VCU エスティメーターは、[Summary] シートでいずれかの Zynq UltraScale+ EV デバイスが選択されている場合に利用できます。次の図に VCU の Xilinx Power Estimator を示します。
図 1. [Other] シート - VUC の消費電力見積もり
エンコーダー/デコーダーの VCU ブロックのパラメーター (解像度、カラー フォーマットなど) を自由選択することで、あらゆる組み合わせの VCU コンフィギュレーションの消費電力を見積もることができます。
注記: [Other] シートでは、レポートされる VCU 消費電力のみがダイナミック消費電力ですが、[Summary] シートでは、VCU 消費電力にスタティックとダイナミックの両方の消費電力が含まれるようになります。
eFUSE
UltraScale および UltraScale+ デバイスには、eFUSE ビットをプログラムできるセキュリティ機能があります。これによって、動作中に FPGA に使用できるビットストリームを暗号化されたもののみにします。XPE では、動作中に eFUSE がプログラムされるときの消費電力を見積もることが可能です。ユーザーは、eFUSE にイメージをプログラミングする際に必要な電力も考慮して消費電力を解析する必要があります。
注記: この消費電力は eFUSE ステート固有のものであるため、[On-Chip Power] での計算には考慮されません。eFUSE ステートではアプリケーション デザインはプログラムされません。
図 2. [Other] シート (7 シリーズ デバイス)