トグル レート - 2022.1 日本語

Xilinx Power Estimator ユーザー ガイド (UG440)

Document ID
UG440
Release Date
2022-04-26
Version
2022.1 日本語

精度の高い消費電力見積もりを出すには、さまざまな XPE シートで正確なトグル レートを指定する必要があります。ただし、この情報は、XPE でデータを入力するデザイン サイクルの段階ではすぐに使用できない場合があります。アクティビティは、デザインがさらに定義されていくと改善される可能性があります。次は、デザイン トグル アクティビティの入力に役立つガイドラインです。

  • 同期パスの場合、トグル レートは、特定のクロック入力に対する出力の変化の頻度を反映し、0 ~ 100% で記述できます。最大データ トグル レートが 100% の場合、出力がすべてのアクティブ クロック エッジでトグルします。たとえば、100 MHz クロックのフリーランニング バイナリ カウンターの場合、LSB ビットはクロックのすべての立ち上がりエッジでトグルするため、Toggle Rate 列に 100% と入力します。2 番目のビットは 1 つ置きのクロック エッジでトグルするため、50% と入力します。データが 1 クロック サイクルあたり 2 回トグルされる場合は、200% と入力します。
  • デザインの周期と関係ない部分またはイベント ドリブン部分に対しては、トグル レートを簡単に予測できません。特定デザインの平均トグル レートを見積もるには、機能や階層に基づいてデザインを別々のセクションに分けて、各サブブロックごとにトグル レートを見積もるのが効率的な方法です。この後、デザインまたは階層全体の平均を計算すると、平均トグル レートを取得できます。ロジックを多用するデザインのほとんどが約 12.5% の平均トグル レートで動作します。これが XPE のデフォルトのトグル レート設定です。

    入力にランダム データ パターンを使用するデザインの場合、通常トグル レートは 10% ~ 30% です。ただし、グリッチ ロジックの多いデザインでは、トグル レートを 50% もしくはそれ以上にすることもできます。グリッチ ロジックは、通常 XOR ゲートやレジスタの付いていない演算ロジック (例: 加算器) など、1 つの入力が変更されたときに出力が変化する可能性が高い組み合わせファンクションとして分類されます。エラー検出/訂正回路など、このようなロジックを大量に使用するファンクションの場合、このためにトグル レートが高くなる可能性があります。エンベデッド デザインなどの制御パス ロジックを多く含むデザインでは、動作中の任意の時点でロジックの大きなセクションが非アクティブになるため、トグル レートは通常低くなります。

要約すると、デザインのトグルレートに大きな影響を与える主な要因は次のとおりです。

入力データ パターン
ランダム データ パターン vs 既知のパターンは、トグル レートに影響します。
制御信号
リセットやクロック イネーブルなどの制御信号の使用または欠如がトグル レートに影響します。
デザイン ロジック
グリッチの多い XOR/キャリー ロジック、パイプラインの多いデザイン、またはエンベデッド デザインはトグル レートに影響します。