2020.2 よりも前のリビジョン管理についての考え方 - 2022.1 日本語

Vivado Design Suite ユーザー ガイド: デザイン フローの概要 (UG892)

Document ID
UG892
Release Date
2022-04-20
Version
2022.1 日本語

デザインのリビジョン管理の大まかな考え方は、Tcl スクリプトを使用してソースからデザインを再現するというものです。これをどのように達成するのか、その大まかな手順は次のようになります。

  1. リビジョン管理にスクリプト フローを使用します。スクリプト フローでは、Tcl スクリプトを実行することにより、デザインを再作成することが可能になります。
  2. ソース ファイルをプロジェクトの外側に保管しておきます。ソース ファイルは Vivado ビルド ディレクトリの外に置いておくのが理想的です。これにより、ソース ファイルとツールにより生成されたファイルとが分けられるようになります。
  3. ソース リポジトリをリビジョン管理します。すべてのソースは、リビジョン管理システムによって管理される必要があります。注意すべき点は、Vivado でソース ファイルを使用しているときは、そのファイルが必ず書き込み可能になっていることです。
  4. デザインを再作成するためのスクリプトを作成します。非プロジェクト フローは、Tcl コマンドを使用してデザインを厳密にコンパイルするため、定義上はスクリプト フローです。この Tcl スクリプトは手動で作成します。プロジェクト フローは、Vivado IDE から、またはプロジェクトベースの Tcl スクリプトを介して実行できます。Tcl コマンドを使用してプロジェクト フローを再現することを推奨します。
  5. スクリプト リポジトリをリビジョン管理します。スクリプトを作成したら、このスクリプト ファイルもソースとして管理することが重要です。デザインが変更されると、新しいソースまたは新しいデザイン構成を取り込むために、このスクリプトが適宜アップデートされます。このスクリプトは、ほかのデザイン ソースと同様に管理される点に注意が必要です。
  6. ユーザーのリビジョン管理方法をテストします。リビジョン管理の成功は、この管理方法をどれだけうまくテストし維持できるかにかかっています。理想的には、ファイルを取りこぼすことなく、スクリプトを使用してデザイン ソースからデザインが完全に再構築されることを確認する目的で、定期的にデザインを古いリビジョンに戻すとよいでしょう。定期的にデザインを再構築することで、リビジョン管理方法の問題点を発見し、タイムリーに対処できます。

この章の後半では、このリビジョン管理の考え方をスクリプトを使用したプロジェクト フローにどのように当てはめていくのかを説明します。非プロジェクト フローを使用するユーザーは、どのファイルがソースで、どのファイルがフローにより生成されるのかを正確に認識する必要があります。また、デザインを作成たびに、ゼロからデザインを作り直しています。