アウト オブ コンテキスト (OOC) フロー - 2022.1 日本語

Vivado Design Suite ユーザー ガイド: IP を使用した設計 (UG896)

Document ID
UG896
Release Date
2022-05-19
Version
2022.1 日本語

IP を生成する際は OOC フローを使用することをお勧めします。このフローは Vivado Design Suite のデフォルトでもあります。OOC フローを使用するとプロジェクト全体で実行時間が短縮され、プロジェクト run を実行する際に IP を合成し直す必要がなくなります。

OOC フローでは、IP がスタンドアロン モジュールとして合成され、OOC の DCP が生成されます。デフォルトの入力クロック定義のある IP を合成すると、OOC フロー専用のザイリンクス デザイン制約 (XDC) 出力ファイル (_ooc.xdc) も生成されて使用されます。生成される DCP はコンテナー ファイルで、ネットリストと制約が含まれます。_ooc.xdc ファイルは、IP 定義に含まれます。

最上位デザインを合成する際は、DCP ファイルと共に HDL スタブ モジュールが提供され、IP に対してブラック ボックスが推論されます。また、デザイン全体の合成中には、最上位デザインで使用される IP の出力するすべてのクロックを定義する XDC ファイル (_in_context.xdc) が DCP から提供されます。詳細は、IP 制約の管理を参照してください。

注意:
IP が OOC モードで合成されると、最上位合成 run でこれらの IP のブラック ボックスが推論されます。このため、最上位合成制約に含まれる IP 内部のピン、ネット、セルなどのオブジェクトは参照できません。

インプリメンテーションでは、IP の DCP からのネットリストが、最上位デザイン ファイルの合成で生成されたネットリストとリンクされ、IP ブラック ボックスが解決されます。インプリメンテーションで使用するために生成された IP の XDC 出力ファイルがユーザー制約と共に適用されます。

デフォルトでは、次の 2 つの利点から OOC フローが使用されます。

  • 最上位デザインの一部として IP を再合成するのではなく、IP のカスタマイズまたはバージョンが変更された IP のみが合成されるので、合成の実行時間が短縮されます。
  • <ip_name>_sim_netlist.v または <ip_name>_sim_netlist.vhdl 構造シミュレーション ネットリストを生成します。これらのファイルは、単一言語シミュレータを使用していて、IP でその言語のビヘイビアー HDL が提供されない場合にシミュレーションに使用できます。詳細は、IP のシミュレーションを参照してください。
    注記: Vivado Design Suite の 2015.3 より前のバージョンでは、シミュレーション ファイルの名前は *named *_funcsim.v および **_funcsim.vhdl です。