SelectMAP シミュレーション - 2022.1 日本語

Vivado Design Suite ユーザー ガイド: ロジック シミュレーション (UG900)

Document ID
UG900
Release Date
2022-04-21
Version
2022.1 日本語

インスタンシエーション テンプレートを含むコンフィギュレーション シミュレーション モデル (SIM_CONFIGE2 および SIM_CONFIGE3) を使用すると、サポートされているコンフィギュレーション インターフェイスをシミュレーションして DONE ピンが High になるのを確認できます。このモデルは、サポート デバイスがサポートされているコンフィギュレーション インターフェイスのスティミュラスにどのように応答するかを示します。

次の表に、サポートされるインターフェイスとデバイスをリストします。

表 1. サポートされるコンフィギュレーション デバイスおよびモード
デバイス SelectMAP シリアル SPI BPI
7 シリーズおよび Zynq®-7000 SoC デバイス × ×
UltraScale デバイス × ×
UltraScale+™ デバイス × ×

これらのモデルは、制御信号アクティビティを処理し、ビット ファイルをダウンロードします。CRCIDCODE などの内部レジスタ設定とステータス レジスタが含まれます。同期ワードがデバイスに入力され、スタートアップ シーケンスで処理されるところを監視できます。次の図に、システムをハードウェアからシミュレーション環境にマップする方法を示します。

コンフィギュレーション プロセスは、各デバイスのコンフィギュレーション ユーザー ガイドで説明されています。これらのガイドには、コンフィギュレーション シーケンスおよびコンフィギュレーション インターフェイスに関する情報が記載されています。

図 1. モデルの通信を示すブロック図

システム レベルの記述

コンフィギュレーション モデルを使用すると、ハードウェアが使用可能になる前に、コンフィギュレーション インターフェイスの制御ロジックをテストできます。このモデルはデバイス全体をシミュレーションし、次のシステム レベルで使用されます。

  • 適切なワイヤ、制御信号処理、データ入力アライメントを確実にするため、コンフィギュレーション ロジックを制御するためにプロセッサを使用するアプリケーション。
  • データ アライメントが正しく実行されるよう CS (SelectMAP チップ セレクト) または CLK 信号を使用してデータ読み込みプロセスを制御するアプリケーション。
  • SelectMAP ABORT または Readback を実行する必要のあるシステム。

config_test_bench.zip ファイルには、SelectMAP ロジックを実行するプロセッサをシミュレーションするサンプル テストベンチが含まれています。これらのテストベンチには、SelectMAP インターフェイスを制御するプロセッサをエミュレートする制御ロジックが含まれ、フル コンフィギュレーション、ABORT、および IDCODE とステータス レジスタの Readback などの機能があります。

このモデルに関連する ZIP ファイルは、ザイリンクス アンサー 53632 から入手できます。

シミュレーションされるホスト システムには、ファイルの配布および制御信号管理などの機能が必要です。これらの制御システムは、デバイスのコンフィギュレーション ユーザー ガイドの説明に従って設計する必要があります。

コンフィギュレーション モデルは、BIT ファイルがデバイスに読み込まれる際、コンフィギュレーション プロシージャ中にデバイス内で起きていることも示します。

BIT ファイルのダウンロード中、モデルにより各コマンドが実行され、ハードウェアの変更を反映してレジスタ設定が変更されます。

CRC レジスタで CRC 値が累積されるのを監視できます。また、デバイスがさまざまなコンフィギュレーション ステートを遷移していくときに設定されるステータス レジスタ ビットも示されます。

モデルを使用したデバッグ

各コンフィギュレーション モデルでは、正しいコンフィギュレーションの例が提供されます。デバイス プログラムの問題が発生したときに、デバッグでこの例を参考にすると有益です。

Vivado デバイス プログラマを使用すると、JTAG を介してステータス レジスタを読み出すことができます。レジスタには、デバイスの現在のステータスに関連した情報が含まれるので、デバッグのときに利用できます。ボード上で問題が発生した場合は、Vivado デバイス プログラマでステータス レジスタを読み込むのがデバッグの最初の手順の 1 つです。

ステータス レジスタを読み込んだら、それをシミュレーションにマップし、デバイスのコンフィギュレーション段階を特定できます。

たとえば、データの読み込みが正しく完了すると GHIGH ビットが High になります。このビットが High になっていない場合、データの読み込みは完了していません。BitGen でセットされ、スタートアップ シーケンスで解放される GTWGWE および DONE 信号も監視できます。

コンフィギュレーション モデルでは、エラー挿入も可能です。問題が発生してデータの読み込みが一時停止されて再開した場合、アクティブな CRC ロジックで問題が検出されます。BIT ファイルに手動で挿入されたビット フリップも検出され、このエラーがデバイスで処理されるのと同様に処理されます。

サポートされる機能

デバイス別のコンフィギュレーション ユーザー ガイドには、各コンフィギュレーション インターフェイスとの通信にサポートされる方法が示されています。次の表に、コンフィギュレーション ユーザー ガイドで説明される機能の中で、サポートされているものを示します。

SIM_CONFIGE2 モデルには、次のような特徴があります。

  • コンフィギュレーション データのリードバックはサポートされません。
  • CRC 値は計算されますが、供給されるコンフィギュレーション データは格納されません。
  • デバイスに対して有効なコマンド シーケンスおよび信号処理が提供されていることを確認するため、特定のレジスタのみでのリードバックが可能です。
  • リードバック データ ファイルを生成するためのモデルではありません。
    表 2. モデルをサポートするスレーブ SelectMAP およびシリアルの機能
    スレーブ SelectMAP およびシリアルの機能 サポートあり
    マスター モード なし
    デイジー チェーン - スレーブ パラレル デイジー チェーン なし
    SelectMAP データ読み込み あり
    連続 SelectMAP データ読み込み あり
    非連続 SelectMAP データ読み込み あり
    SelectMAP ABORT あり
    SelectMAP リコンフィギュレーション なし
    SelectMAP データ順序付け あり
    リコンフィギュレーションおよびマルチブート なし
    コンフィギュレーション CRC - コンフィギュレーション中の CRC チェック あり
    コンフィギュレーション CRC - コンフィギュレーション後の CRC なし