タイミング エンジンで 1000 サイクル以上、2 つのクロックの共通周期を検出できなかった場合、これらのクロックは共通周期なしとして処理されます。この場合、1000 サイクルでのワースト セットアップ関係がタイミング解析で使用されますが、これが本当にワースト ケースであるかどうかは、タイミング エンジンでは確認できません。
これは通常、2 つのクロックの周期比が半端な分数になる場合に発生します。たとえば、同じプライマリ クロックを共有する 2 つの MMCM で生成された clk0
および clk1
という 2 つのクロックがあるとします。
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clk0
の周期は 5.125 ns です。 -
clk1
の周期は 6.666 ns です。
これらのクロックの立ち上がりエッジは 1000 サイクル以内では揃いません。タイミング エンジンでは、これらの 2 つのクロック間のタイミング パスに、0.01 ns というセットアップ パス要件が使用されます。これら 2 つのクロックにはクロック ツリー ルートでは既知の位相関係がありますが、それらの波形のためタイミング解析を安全に実行できません。
非同期クロックと同様、スラックの算出は通常どおりであるように見えますが、値は信用できるものではありません。そのため、共通周期のないクロックは通常、非同期クロックと同様に処理されます。非同期クロックおよび共通周期のないクロックは、制約の設定およびクロック乗せ換え回路では同様に扱う必要があります。