デザイン最適化段階は 5 つのステップに分かれており、各ステップが順次実行されます。次の図に、これらの 5 つのステップを示します。
図 1. デザイン最適化のステップ
各ステップで、opt_design
、place_design
、および route_design
など、複数のインプリメンテーション コマンドが実行され、QoR 推奨項目が生成されます。各ステップに、ターゲットの推奨項目リストがあります。生成された推奨項目がターゲットの推奨項目リストに含まれる場合、推奨項目を適用できる状態にするため、デザインが必要な段階にリセットされます。ステップのターゲット推奨事項リストに推奨項目がない場合は、そのステップはスキップされます。
デザイン最適化ステップの詳細は次のとおりです。
- XDC のクリーンアップ
- デザインでインプリメンテーション エラーまたは修正不可能なタイミングを発生させる原因となるものがないかをチェックします。エラーが検出されると、フローは終了します。この段階では、推奨項目は生成されず、適用もされません。
- 使用率のクリーンアップ
- タイミングを低下させることなく使用率を削減する推奨項目が生成されます。使用率関連以外の推奨項目も、フローの早期に検出されて修正可能であれば、適用される場合があります。
- クロッキングのクリーンアップ
- 正確なクロック スキューのタイミング値を生成するため、デザインが
place_design
まで実行されます。推奨項目がある場合は、フローはリセットされてroute_design
まで実行され、全体的なタイミングが生成されます。注記: 使用率のクリーンアップおよびクロッキングのクリーンアップで推奨項目がない場合は、ファースト パスと呼ばれる特別な段階ステージがレポートされます。これはベースラインとしてこの後の段階との比較に使用されます。推奨項目がある場合は、コンパイル時間を短縮するため、このレポートは生成されません。 - 密集のクリーンアップ
- このステップでは、配線の一部を実行した後に密集推奨項目が生成され、デザインの密集をより正確に確認できます。推奨項目が存在する場合は適用されます。注記: ログ ファイルには、密集情報が生成されたときに
route_design
でエラーが発生したことが示されていますが、この時点では完全な配線は意図されていないので、無視しても問題ありません。 - タイミングのクリーンアップ
- このフェーズの前に、前のステップからの最適なチェックポイントが選択されます。これから個々のタイミング パスが解析され、タイミング カテゴリの推奨項目が適用されます。このフェーズでは、インプリメンテーション フェーズが
route_design
まで実行されます。
段階 1 (デザイン最適化) の最後に、ここで終了するか、ベスト run を選択して段階 2 (ツール オプションの検討) に進むかが決定されます。
IDR による変更点を確認するには、QoR 推奨項目レポートで各ステップの [GENERATED] および {APPLIED] の項目をチェックします。複数のチェックポイントが生成されており、デザイン run のディレクトリから簡単にアクセスできます。