配線初期密集レポート ([Router Initial Congestion]、7 シリーズ FPGA の場合は [Initial Estimated Router Congestion]) は、配線が実行された後に表示可能になります。配線の初期段階で直面する配線の密集を示します。
密集レベルが 5 またはそれ以上の場合、report_design_analysis
で密集の表が生成され、特定の方向およびタイプで密集度が最大のものに関連する密集および領域の特性が示されます。
- [Global] 密集は、配置密集に似ており、すべてのインターコネクト タイプに基づいています。
- [Long] 密集は、特定方向の長いインターコネクトの使用率のみを考慮しています。
- [Short] 密集は、特定方向のその他すべてのインターコネクトの使用率を考慮しています。
32x32 (レベル 5) を超える密集エリアは QoR および配線性に影響する可能性があります。長いインターコネクトが密集していると短いインターコネクトの使用量が多くなり、配線遅延が大きくなります。短いインターコネクトの密集は通常、実行時間が長くなる原因となり、ウィンドウ サイズが大きい場合、QoR も低下する可能性が高くなります。
配線初期密集の表を解析する際は、次の点に注意してください。
- 密集レベルが 6 以上の場合、デザインでタイミングが満たされる可能性は低く、配線でエラーが発生することがあります。
- 密集レベルが 4 か 5 の場合、密集エリアにあるモジュールを特定し、それらのモジュールに密集を緩和する手法を適用するか、配置を -directive オプションの *SpreadLogic* 指示子などを使用して再実行します。
- 密集レベルが 3 以下の場合、タイミング バジェットが非常に厳しくなければ、密集が問題となることはありません。
上の図は、配線初期密集の例で、密集レベル 5 以上の領域がレポートされています。密集レベルのしきい値をこれより低くして、-min_congestion_level
オプションを使用します。デフォルトの最小密集レベルは 5 です。有効な値は
3 ~ 8 です。
密集レポートには、指定した方向およびタイプで密集が最大になる領域だけでなく、その方向およびタイプで密集レベルが最大の追加の領域 (ある場合) も含まれます。これらの領域には、ある量のオーバーラップがあるか、デバイスの別の領域に含まれている可能性があります。
次の図に、North (方向)、Long (タイプ) に密集レベル 6 の領域が複数あるデザイン例を示します。