[Environment] タブで編集可能なオプションを確認します。プロセス、電圧、環境データが意図した環境に近いものであることを確認します。これらの設定は、見積もられる総消費電力に大きく影響します。[Environment] タブでは、次のオプションを設定できます。
- Device Settings
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- Temp grade
- デバイスに適した温度グレードを選択します。通常は [Commercial] または [Industrial] です。設定によっては、スタティック消費電力仕様が異なるデバイスもあります。これを正しく設定しておくと、選択したデバイスに対して正しいジャンクション温度範囲が表示されます。
- Process
- ワースト ケース解析では、[Maximum] に設定することをお勧めします。デフォルト設定は [Typical] で、統計的な計測に基づくより正確な結果が得られますが、[Maximum] に変更すると、消費電力仕様がワースト ケースの値に変更されます。
- Environment Settings
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- Output Load (pF)
- I/O ポートの出力で駆動されるボードおよびその他の外部容量を指定します。
- Junction temperature (°C)
- デバイスのジャンクション温度を指定します。ワースト ケース解析では、ユーザー上書きのオプションを使用して、この値をデバイスの温度グレードに基づく TJ (最大) に設定します。
- Ambient temperature (°C)
- デバイス デザインを含むエンクロージャ内で達する可能性のある最大温度を指定します。この設定と、エアフローやその他の放熱経路 (ヒートシンクなど) により、ジャンクション温度が正確に計算され、デバイスのスタティック消費電力がより正確に計算されます。
- Effective ΘJA (°C/W)
- カスタム ΘJA (通常熱モデルから求める) の値を指定します。周囲温度および有効 θJA に熱シミュレーションからの値を設定すると、より正確な見積もりが得られます。
- Airflow (LFM)
- チップのエアフローは、LFM (リニア フィート/分) で計測されます。LFM は、CFM (立方フィート/分) で表されたファンの出力を通気経路の断面で除算して求めることができます。デバイスまたはファン (あるいはその両方) の配置が、デバイス上の通気、さらには放熱に影響する可能性があります。このパラメーターのデフォルト値は 250 LFM です。エアフローなし (空気が静止した状態) でデバイスを動作させる場合、デフォルトの 250 LFM を 0 LFM に変更する必要があります。
- Heat sink (if available)
- ヒートシンクを使用しており、詳細な放熱情報がない場合は、使用しているヒートシンクのタイプに合ったプロファイルを選択します。このパラメーターをほかのパラメーターと一緒に使用すると、有効 ΘJB を計算しやすくなり、より正確なジャンクション温度および静止消費電力が計算されます。ソケットの設計および構造によっては、ヒートシンクとして機能するものもあります。
- Board selection および Number of board layers (使用可能である場合)
- ボードのおおよそのサイズとスタックを選択すると、ボード自体の熱伝導性が考慮されるので、有効な ΘJB を計算できます。
- ΘJB
- ボードおよびシステムのより正確な熱モデルがある場合は、デバイスからの放熱量を指定するために ΘJB (プリント回路基板の熱抵抗) を使用する必要があります。
注記: より正確に消費電力を見積もるには、ザイリンクスでは最大の周囲温度を指定することをお勧めします。アプリケーションで熱ソリューションの (Ta) および Theta Ja (Θ JA) をサポートする必要があるので、これにより、最大プロセスが指定されていると想定されているデバイスのジャンクション温度 (Tj) およびスタティック消費電力をさらに正確に見積もることができます。