グローバル クロック イネーブル - 2022.1 日本語

Vivado Design Suite ユーザー ガイド: 消費電力解析および最適化 (UG907)

Document ID
UG907
Release Date
2022-04-26
Version
2022.1 日本語

クロック イネーブルの扱いは通常リセットほど複雑ではなく、たいていのデザインではわかりやすく簡単です。ただし、リセット オン パワーが認識されるデザイン (クロック イネーブルが広範囲に使用され、特別ロジック回路を使用して制御される) のように複雑になることもあります。ロジック セルのダイナミック消費電力は、クロック イネーブルのスイッチング アクティビティによって変わります。アクティビティ レートが正しく設定されていないと、消費電力の正しい見積もり値は得られません。

たとえば、イネーブルは、実行中はアサートされ (アクティブ)、ロジック セルが使用されない場合にのみ非アクティブになるはずです (消費電力を削減するために明確に制御している場合)。これは、スイッチング アクティビティを使用して次のように記述できます。

set_switching_activity -static_probability 0.99 -signal_rate 2 [get_ports glb_enable]

[Report Power] コマンドでグローバル イネーブルとなるプライマリ ポートが特定され、上記のスイッチング アクティビティが適用されます。グローバル イネーブルの特定には、保守的で安全な方法 (最下位プリミティブの CE ピンに直接接続されたポート) が使用されます。

また、消費電力レポートを使用すると、デザインのイネーブル ネットを特定しやすくなるので、これらのネットのスイッチング情報をすばやく検証して、修正処置を取ることができます。[Report Power] コマンドの初回テスト run をデフォルト設定を使用して実行すると、イネーブル ネットのアクティビティを解析できます。

図 1. 消費電力レポートのクロック イネーブル ネット

消費電力レポートには、このイネーブル ネットの影響を受けるロジック セルのタイプと数が [Logic Type] と [Fanout] 列に表示されます。最初のスイッチング アクティビティの見積もりが正しくない場合は、消費電力レポートでそのネットをクリックし、[Net Properties] ウィンドウの [Power] ビューでプロパティを変更します。