プロジェクト考案から完成まで、消費電力に影響する多数の要因を考慮する必要があります。ほかのすべての制約 (機能、パフォーマンス、コスト、およびタイム トゥ マーケット) を考慮しない場合、消費電力に関するタスクは次の 2 つに分類できます。
- 物理的
- エンクロージャ、ボードの形状、電源、電源分配ネットワーク (PDN)、熱電力損失の構造。
- 論理的
- エリア、パフォーマンス、I/O インターフェイスのシグナル インテグリティ。
次の章で、これら 2 つの依存関係を説明します。物理的タスクはハードウェアに関する決定事項、論理的タスクはデザイン作成に関係しています。通常、ハードウェアの選択およびサイズ設定は、プロトタイプ ボードを構築する時間を確保するため、デザイン フローの初期段階で実行します。デバイスの機能の消費電力への影響は早期に見積もり可能で、デザイン ロジックが完成していくにつれ調整されます。次の図に、消費電力に関する決定ポイントをハイライトした典型的なシステム デザイン プロセスを示します。この図では、デバイスとその冷却パーツを選択する時点では、デバイス ロジックは完成していません。そのため、デバイス ロジックの消費電力要件を慎重に見積もる手法が必要になります。これらの手法については、次で説明します。
図 1. デバイスのデザイン プロセスにおける消費電力
この後のセクションで、デザイン プロセスに沿って消費電力を解析および削減する手法を説明していきます。