電源レールの作成と管理 - 2022.1 日本語

レールまたは電源レールとは、電源または電源レールのグループのことを指します。このセクションでは、「電源」は、Vccint や Vccram などの個々のデバイスの電源を指します。補助電源には、異なる位相の複数の電源から供給される電圧レギュレータを取り付けることができます。これには、複数のグループに電源レールを追加して、異なる位相から電流を流す電圧ソースを考慮する必要があることがあります。電源レールの定義、電源レールの位相数、レール上の位相分布、および電流バジェットは、通常ターゲット ボード ファイルと共に提供されます。ザイリンクスでは、ボードのデータを上書きしたり、レールの定義を作成して、位相情報を更新し、電流バジェットを作成したりするための Tcl コマンドがサポートされています。たとえば、次のような便利なコマンドがあります。

create_power_rail

新規電源レールを作成します。

create_power_rail <power rail name> -power_sources  {supply1, supply2 ,..}
create_power_rail <power rail name> -power_sources {supply1, supply2 ,..} -num_phases <number of phases>

create_power_rail <power rail name> -power_sources {supply1, supply2 ,..} -phased_power_source {<power rail name with phase info>  <num_phase>}

delete_power_rail

既存電源レールを削除します。

delete_power_rail <power rail name>

add_to_power_rail

既存の電源レールに電源ソースを追加します。

add_to_power_rail  <power rail name> -power_sources {supply1, supply2, ..}
add_to_power_rail <power rail name> -power_sources {supply1, supply2, ..} -phased_power_source { <power_rail_with_phase_info> <num_phases> }

remove_from_power_rail

電源レールから電源ソースを削除します。

remove_from_power_rail  <power rail name> -power_sources {supply1, supply2, ..}

レールが定義されていれば、電源の電流バジェットを電源レールだけでなく、そのレールの電源にも指定できます。レールの消費電力バジェットは、レール電圧で乗算された電源電流バジェットのことです。消費電力および電源電流バジェットを指定するには、次のコマンドを使用します。

set_operating_conditions -supply_current_budget {<supply rail name> <current budget in Amp>} -voltage {<supply rail name> <voltage>}

Report Power では、各電源レールの電流が電流バジェットと比較され、前のセクションで説明したように、消費電力のテキスト レポートにマージンが +/- 両方ともレポートされます。次の図は消費電力のテキスト レポートの一部で、電力レールとそのバジェットの項が確認できます。