手順 4: レポートについて - 2022.1 日本語

Vivado Design Suite チュートリアル: デザイン解析およびクロージャ テクニック (UG938)

Document ID
UG938
Release Date
2022-05-11
Version
2022.1 日本語

この手順では、生成された QoR 推奨項目レポートのさまざまなセクションを説明します。レポート ウィンドウの左側でレポートの各セクションにナビゲートでき、右側では詳細情報が確認できます。

  1. Suggestion ReportGENERATED をクリックします。レポート ウィンドウは次のように表示されるはずです。

    GENERATED セクションには、現在の run のこの段階で生成された推奨項目がすべてリストされます。[DESCRIPTION] には、各推奨項目の推奨理由が表示されます。次の情報も示されます。

    表 1. [RQS Summary] の表の列見出しの説明
    項目 説明 コメント
    GENERATED_AT デザインのどの段階で推奨項目が生成されたのかを示します。place_design または route_design が典型的な値です。 デザイン段階が進行していくにつれ、ツールはその時点で使用可能な情報を使用して推奨項目を生成します。配置後、さらに配線後になると、情報の正確さが増します。
    APPLICABLE_FOR 推奨項目を取り入れるため、この段階を再実行する必要があります。 ほとんどの推奨項目は synth_design または place_design で実行されます。
    AUTOMATIC 推奨項目が自動的に実行されるのか、またはユーザーが手動で実行する必要があるのかを示します。 推奨項目が自動的に実行される場合は、ツールへのオプションの追加や、セルまたはネットへのプロパティの追加が推奨されます。
    INCREMENTAL FRIENDLY 推奨項目がインクリメンタル フローに最適化されているかどうかを示します。 インクリメンタル フロー用ではない場合、基準チェックポイントに既に存在している必要があります。インクリメンタル フロー用ではない推奨項目を追加する場合は、更新済みの基準チェックポイントを使用する必要があります。
    SCOPE ターゲットの合成 run のレベルを示します。GLOBALSCOPE が最上位です。それ以外の場合は、下位モジュールがターゲットになります。 最上位および下位モジュールのアウト オブ コンテキスト (OOC) 合成 run に RQS ファイルが使用されます。合成の推奨項目のみが対象です。

    レポートのほかのセクションでは、生成された個々の推奨項目についての詳細が確認できます。

  2. RQS_XDC_1_1 のハイパーリンクをクリックします。この推奨項目の詳細が表示されます。

    この推奨項目の説明には、タイミング制約がパスに対して厳しすぎると示されています。このパスには大きな負のスラックがあり、タイミング レポートで目立ちます。タイミング パスには、最適なネット遅延が使用されます。これにより、パスを配置配線する正しい順序がツールに示されます。詳しく解析すると、これはロジック段数の多い 600 MHz のパスであることがわかります。このパスを修正する必要があります。

  3. 左方向矢印 をクリックして GENERATED ビューに戻ります。
  4. GENERATED ビューで RQS_TIMING-33_2-1 行をクリックします。これは synth_design に適用可能な AUTOMATIC 推奨項目であることがわかります (APPLICABLE_FOR 列を参照)。つまり、この推奨項目を使用するには synth_design コマンドを再実行する必要があります。

    GENERATED ビューで行を選択すると、その推奨項目オブジェクトが選択され、QoR Suggestion Properties ウィンドウに表示されます。コマンド プロパティを見ると、それが synth_design のリタイミング フォワード プロパティを生成することがわかります。



  5. GENERATED ビューで RQS_TIMING-33_2-1 ID をクリックし、その推奨項目の詳細な表を表示します。Endpoint 列を調べると、これが RQS_XDC-1-1 に示されていたパスと同じであることがわかります。

  6. [GENERATED] ビューで、残りのタイミング推奨項目を確認できます。RQS_CLOCK-9 推奨項目は、place_design に適用可能です。それ以外の RQS_TIMING-44 推奨項目は、既存のものと似ています。
  7. RQS_TIMING-27-1 推奨項目は、合成時に BLOCK_SYNTH プロパティを使用し、モジュール全体に適用されます。手順 4 のようにオブジェクトのプロパティを確認すると、ターゲット セルを決定できます。RQS_TIMING-27-1 チェック ボックスをオフにします。この推奨項目は、モジュール全体に適用されるので、ほかの項目と重複します。わかりやすくするため、ここではこれは適用しません。
  8. 次の画像でハイライトされている 4 つの推奨項目だけを選択し、RQS 推奨項目オブジェクト ファイルに書き込みます。

  9. Write Suggestions to Project (保存/アラート) をクリックします。Write Suggestions to Project ダイアログ ボックスが開いたら、utils_1 ディレクトリの rqs_report.rqs ファイルに書き込まれるように設定します。Copy sources to project をクリックします。

  10. Sources ウィンドウを確認します。RQS ファイルが utils_1 ファイルセットに追加されます。これにより、ファイルが get_files コマンドを使用して取り込まれ、ファイルを run に追加したときに次の手順で認識されるようになります。