手順 3: XDC ファイルのディスエーブル - 2022.1 日本語

Vivado Design Suite チュートリアル: IP を使用した設計 (UG939)

Document ID
UG939
Release Date
2022-06-10
Version
2022.1 日本語
プロジェクト モードでは、IP の XDC ファイルが配布される場合、そのファイルは自動的に処理され、インメモリ デザインに追加されます。このデザインの場合、最上位 XDC ファイルに制約があり、それを適用するので、Clocking Wizard IP に含まれている XDC ファイルをディスエーブルにします。ただし、Clocking Wizard IP の出力ファイルは生成されていないので、まずはその出力ファイルを生成する必要があります。この中に XDC ファイルも含まれます。

IP の XCI ファイルを含む出力ファイルを生成するとき、合成デザイン チェックポイント (DCP) の作成を含む OOC フローを使用するかどうか、または IP を最上位デザインの一部として合成するかどうかを決める必要があります。

Clocking Wizard に対しては、XDC を使用しないよう設定する必要があります。つまり、DCP を使用しないよう、IP を設定する必要があります。

  1. 合成デザイン チェックポイントを使用しないよう、IP を設定するには、スクリプトに次の行を追加します。
    set_property generate_synth_checkpoint false [get_files clk_wiz_0.xci]

    これで、最上位での合成が完了すると、DCP ではなく、RTL 出力ファイルが使用されます。プロジェクト フローとは異なり、出力ファイルは自動的に生成されません。随時手動で作成する必要があります。

  2. Tcl スクリプトに generate_target コマンドを追加します。
    generate_target all [get_ips clk_wiz_0]

    ソースの IP リポジトリから XCI ファイルをローカル ディレクトリにコピーしたので、出力ファイルは、そのローカル ディレクトリに書き込まれます。

    ヒント: IP でサポートされている出力ファイルを確認するには、IP に対し report_property コマンドを実行するか、または、IP から KNOWN_TARGETS プロパティを取得するため get_property を実行します。たとえば、次の行はスクリプトに追加しないでください。
    report_property [get_ips clk_wiz_0]
    get_property KNOWN_TARGETS [get_ips clk_wiz_0]

    複数の出力ファイルを生成する場合は、{synthesis instantiation_template} などのコマンドにリストを渡します。

    Clocking Wizard で配布される XDC をディスエーブルにするには、ファイルの名前が必要です。get_files コマンドに -of_objects および -filter オプションを指定して、IP で配布される XDC ファイルを検索します。

  3. Clocking Wizard IP の XDC ファイル名を Tcl 変数に取り込むには、スクリプトに次の行を追加します。
    set clk_wiz_xdc [get_files -of_objects \
    [get_files clk_wiz_0.xci] -filter {FILE_TYPE == XDC}]

    これで、Clocking Wizard で配布される XDC ファイルの名前が返されます。

  4. XDC ファイルをディスエーブルにするには、スクリプトにこの行も追加します。
    set_property is_enabled false [get_files $clk_wiz_xdc]

    clk_wiz IP で配布される XDC ファイルは、スクリプトを実行するとディスエーブルになります。

    どの XDC ファイルが評価され、どういう順序でファイルが処理されるのかをチェックするには、report_compile_order コマンドに -constraints オプションを指定します。