デフォルトの DFX フローでは、親コンフィギュレーションの配置と配線が完了した後に複数のデザイン チェックポイントが書き込まれます。Vivado プロジェクト フローでは、完全な配線済みデザイン チェックポイントに加えて、各リコンフィギャラブル パーティションごとに update_design -black_box
を呼び出し、次に lock_design -level routing
を呼び出すことで、すべての子 run の開始点となるスタティックのみのデザイン チェックポイントも作成されます。さらに、write_checkpoint -cell
を呼び出すことにより、親コンフィギュレーション内の各 RM に対してモジュール レベルのチェックポイントが生成されます。これらのファイルを作成するためにユーザーが何かする必要はありません。
- 親コンフィギュレーション用に作成されたファイルを確認します。Windows エクスプローラーまたはシェル コンソールで impl_1 サブディレクトリに移動します。
\abstract_shell\dfxc_vcu118\project_dfxc_vcu118\project_dfxc_vcu118.runs\impl_1
さまざまなデザイン チェックポイントとそのサイズを確認します。ここに記載されているファイル サイズは、Vivado ツールのバージョン、インプリメンテーション run オプション、およびオペレーティング システムによって若干異なる場合があります。重要なファイルは次のとおりです。- top_routed.dcp (58,284 KB) – RP ごとに 1 つの RM を含む完全な配線済みデザイン
- top_routed_bb.dcp (55,819 KB) – ロック済み配置配線と各 RP のブラック ボックスを含むスタティックのみのデザイン
- u_count_count_up_routed.dcp (1,267 KB) – count_up RM インスタンスの配線済みモジュール レベルのチェックポイント
- u_shift_shift_right_routed.dcp (463 KB) – shift_right RM インスタンスの配線済みのモジュール レベルのチェックポイント
このデザインでは、サイズと複雑さを考慮すると、リコンフィギャラブル モジュールのチェックポイントがスタティック デザインのチェックポイントよりもはるかに小さくなることは驚くべきことではありません。
図 1. フル デザイン チェックポイント (左) およびスタティックのみのチェックポイント (右) - u_count インスタンスと u_shift インスタンスの両方に抽象化シェルを作成します。[Tcl Console] の現在の作業ディレクトリが <extract_dir> ディレクトリであることを確認します。このディレクトリは、project_dfxc_vcu118、sources および abstract_shell フォルダーが存在する場所と同じ場所です。
write_abstract_shell -force -cell u_count ./abstract_shell/ab_sh_count.dcp
write_abstract_shell -force -cell u_shift ./abstract_shell/ab_sh_shift.dcp
最初にwrite_abstract_shell
を呼び出すたびにメモリ内に完全なデザイン チェックポイントのコピーが作成され、次の手順は自動的に実行されます。-
update_design -black_box
を使用してターゲット リコンフィギャラブル パーティションをブラック ボックスにします。 - 残りのデザイン (ほかのリコンフィギャラブル モジュールを含む) をロックします。
- ターゲット RP の抽象化シェルの生成
-
pr_verify
を実行してこのチェックポイントを元の完全に配線されたデザインと比較します。
このプロセスには
write_checkpoint
の単純な呼び出しよりも時間がかかりますが、ほとんどの場合、初期実行に時間がかかっても、RM のコンパイル時間を大幅に削減できます。 -
- 抽象化シェルのサイズを調べ、top_routed_bb.dcp フル シェル チェックポイントのサイズと比較します。ここでもサイズは異なる場合がありますが、Windows で Vivado 2020.2 初期リリースを使用した場合の抽象化シェルのファイルサイズは次のとおりです。
- ab_sh_count.dcp (1,785 KB) – Count RP の抽象化シェル
- ab_sh_shift.dcp (1,699 KB) – Shift RP の抽象化シェル
- 各抽象化シェル チェックポイントを開き、内容を確認します。
open_checkpoint ./abstract_shell/ab_sh_count.dcp
図 2. Count RP (上部 2 つの SLR のみ) の抽象化シェル - 配線レポートを実行して、抽象化シェルに損傷がないことを確認します。
report_route_status
この手順はオプションであり、単に抽象化シェルが配線エラーのない有効なデザイン データベースであることを示しています。
- 抽象化シェル チェックポイントを閉じます。
close_project