手順 6: グレー ボックス モジュールの作成およびインプリメンテーション - 2022.1 日本語

Vivado Design Suite チュートリアル: Dynamic Function eXchange (UG947)

Document ID
UG947
Release Date
2022-05-31
Version
2022.1 日本語

デザインによっては、デバイスの初期コンフィギュレーションは、リコンフィギャラブル パーティションに存在する機能を含まないイメージであることが望ましい場合があります。または、インプリメントできる RM がまだ存在しない場合もあります。そのような場合は、グレー ボックス コンフィギュレーションを使用して、実際の RM ネットリストを使用せずに、スタティック デザインのみをインプリメントできます。

グレー ボックスは、最初はブラック ボックス モジュールですが、すべてのポートに LUT が自動挿入されます。出力ポートは、フロートしないように 0 (デフォルト、プロパティで 1 を選択可能) に駆動されます。このグレー ボックス モジュールを使用すると、RM が使用できない場合でも、デザインを処理できます。このグレー ボックス イメージのタイミング バジェットを作成するトレーニング スクリプトがあり、スタティック デザインのインプリメンテーション結果を最適化できます。グレー ボックス RM を使用したコンフィギュレーションを親 run にすることもできますが、ほかに RM がない場合、または RP インターフェイスの配置を最適化するために制約の値を決定する場合のみにすることをお勧めします。

  1. Dynamic Function eXchange (DFX) ウィザードを開き、[Configurations] ページに移動します。これは専用機能なので、新しく RM を定義する必要はありません。config_greybox という名前のコンフィギュレーションを新規作成し、各 RP のインスタンスに「<greybox>」と入力します。
    図 1. 新規 config_greybox コンフィギュレーションの追加

  2. Next をクリックして [Configuration Runs] ページに移動し、グレー ボックス コンフィギュレーション用のコンフィギュレーションを作成します。
    • [Parent]: synth_1 – このコンフィギュレーションを新しい親にし、合成済みの最上位デザインから開始します。
    • [Configuration]: config_greybox – RM には、LUT の接続のみが含まれます。
    • [Run]: impl_greybox
    図 2. 独立したグレー ボックス コンフィギュレーション run の作成

  3. Next をクリックして [Finish] をクリックし、この新しい run を作成します。

    [Design Runs] ウィンドウには、インプリメンテーション run が 4 つ、アウト オブ コンテキスト run が 3 つ表示されています。合成は DFX ソリューションのエンベデッド機能なので、グレー ボックス モジュールには合成は不要です。

    図 3. 実行準備が整ったグレー ボックス インプリメンテーション

    これで、グレー ボックス コンフィギュレーションをインプリメントできます。

  4. [impl_greybox] デザイン run を選択して右クリックし、[Launch Runs] をクリックします。この run はアクティブな親ではないので、Flow Navigator ではこの run は起動されません。
    重要: impl_1 および impl_greybox はどちらも親であり、これらのスタティック デザイン結果は異なるので、ハードウェアでは生成されるビットストリームに互換性はありません。1 つの親から生成され、DFX 検証を使用して確認されたビットストリームのみを Dynamic Function eXchange (DFX) を介してデバイスにダウンロードしてください。