IP と参照モジュールの違い - 2022.1 日本語

Vivado Design Suite ユーザー ガイド: IP インテグレーターを使用した IP サブシステムの設計 (UG994)

Document ID
UG994
Release Date
2022-04-20
Version
2022.1 日本語

参照されたモジュール インスタンスは、ブロック デザイン キャンバス上では IP と同じように表示されますが、参照されたモジュールと IP にははっきりとした違いがあります。ブロック デザインの RTL モジュールには、次の図に示すように、コンポーネント シンボルに「RTL」と表示されます。

図 1. RTL モジュール シンボルに表示された「RTL」マーク

パッケージされた IP と参照されたモジュールには、Sources ウィンドウのソース ファイルでも違いがあります。次の図に示すように、モジュール参照ブロックが XCI ファイルではなく、_wrapper 拡張子でディレクトリ ツリーに表示されます。

図 2. モジュール参照ラッパーとして表示される最上位の RTL モジュール

ブロック デザインの出力ファイルをリセットすると、次の図に示すように、Vivado ツールにより IP ブロックに関連付けられているソース ファイル、制約ファイル、およびその他のメタ データが削除されますが、モジュール参照ブロックにはソース HDL しか含まれないので、何も削除されません。

図 3. 出力ファイルのリセット後の Sources ウィンドウ

この図では、プロジェクト内の IP がリセットされ、これらの IP の下に HDL がない例を示しています。RTL モジュールにはリセットするものがないので、出力ファイルをリセットした後でも、HDL ファイルが RTL モジュールの下に表示されます。

古い IP は、IP Status ウィンドウに示されるか、インスタンシエートした後の RTL モジュールの編集 のようにブロック デザイン キャンバスにリンクとして表示されます。IP は、IP Status ウィンドウで Upgrade Selected をクリックすると IP をアップグレードできます。

最新の状態ではない参照モジュールも、インスタンシエートした後の RTL モジュールの編集 に示すようにデザイン キャンバスの上にレポートされます。デザイン キャンバスを右クリックして Refresh Module をクリックすると、モジュールを更新できます。

パッケージされた IP の RTL ソース ファイルを編集することはできませんが、モジュール参照の RTL ソースは編集できます。詳細は、インターフェイス推論のための HDL パラメーター を参照してください。

参照されたモジュールはパッケージされた IP ではないので、モジュール インスタンスのバージョンを管理することはできません。Block Properties ウィンドウの IP ビューに表示されるように、参照モジュールのバージョンは Vivado IP インテグレーターで内部制御されます。ブロックのベンダー、ライブラリ、バージョン (VLNV) を管理する必要がある場合は、 『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: カスタム IP の作成とパッケージ』 (UG1118) に説明されているように、IP をパッケージする必要があります。

モジュール参照機能では、境界を越えるパラメーター伝搬はサポートされません。デザインの検証時に IP インテグレーターで実行されるデザイン ルール チェックをサポートするには、RTL モジュールの制御信号の推論 に記述されている属性を使用する必要があります。たとえば、IP インテグレーターにはソース クロックとデスティネーションの間のクロック周波数を検証するデザイン ルール チェックがあります。RTL コードで正しい周波数を指定すると、デザイン接続を確実に正しくできます。