RX イコライザー (DFE および LPM)

Versal ACAP GTY および GTYP トランシーバー アーキテクチャ マニュアル (AM002)

Document ID
AM002
Release Date
2021-05-05
Revision
1.2 日本語

シリアル リンクの BER (ビット エラー率) 性能は、トランスミッター、伝送媒体、およびレシーバーの機能そのものです。伝送媒体またはチャネルの帯域幅は制限されているため、これを通って進む信号には劣化や歪みが発生します。

消費電力と性能間のシステム レベルのトレードオフに応じて GTY レシーバーに利用可能な 2 つの種類の適応フィルターがあります。チャネルの損失を低減するように消費電力を最適化するため、GTY レシーバーには低消費電力モード (LPM) という電力効率に優れたアダプティブ モードがあります (図 1 参照)。損失の大きいチャネルにイコライゼーションを適用する場合は、判定帰還等化 (DFE) モードを利用できます。GTY トランシーバーは、図 2 を参照してください。

DFE モードは、リニア イコライザーを使用した場合よりも、フィルター パラメーターの近似調整が可能なため、転送チャネルの損失をさらに補正できます。ただし、DFE モードでは転送ビットのプリカーソルを除去できず、ポストカーソルの調整にのみ対応しています。リニア イコライザーはプリカーソルおよびポストカーソルのゲインに対応可能です。RX の DFE モードは離散時間に対応するハイパス (広域) フィルターです。DFE モードのタップ値は、適応アルゴリズムで設定されるこのフィルターの係数です。

図 1. LPM モード
図 2. DFE モード