擬似乱数ビット シーケンス (PRBS) は、一般に、高速リンクにおけるシグナル インテグリティの検証に使用されます。これらのシーケンスには規則性がないように見えますが、リンク品質の計測に使用される特定のプロパティがあります。GTY トランシーバーのパターン ジェネレーター ブロックは、次の表に示す業界標準規格の PRBS パターンを生成できます。
名前 | 多項式 | シーケンス長 | 説明 |
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PRBS-7 | 1 + X6 + X7 | 27 - 1 ビット | 8B/10B を使用するチャネルの検証に使用します。 |
PRBS-9 | 1 + X5 + X9 | 29 - 1 ビット | 「ITU-T Recommendation O.150、Section 5.1」。PRBS-9 は、SFP+ に推奨されているテスト パターンの 1 つです。 |
PRBS-15 | 1 + X14 + X15 | 215 - 1 ビット | 「ITU-T Recommendation O.150、Section 5.3」。主にジッター測定に使用されるパターンであり、Keysight 社の DCA-X サンプリング オシロスコープが処理できる最長パターンです。 |
PRBS-23 | 1 + X18 + X23 | 223 - 1 ビット | 「ITU-T Recommendation O.150、Section 5.6」。8B/10B 以外のエンコード方式に使用され、SONET 仕様で推奨されているテスト パターンの 1 つです。 |
PRBS-31 | 1 + X28 + X31 | 231 - 1 ビット | 「ITU-T Recommendation O.150、Section 5.8」。8B/10B 以外のエンコード方式に使用され、10 ギガビット イーサネットに推奨されている PRBS テスト パターンです。「IEEE Std 802.3ae-2002」を参照してください。 |
PRBS パターンのほかに、トランシーバーは、内部データ幅に応じた 16UI、20UI、32UI、40UI、64UI、または 80UI 方形波のテスト パターンや 2UI 方形波のテスト パターンおよび PCI Express 準拠のテスト パターン生成もサポートしています。クロッキング パターンは、スペクトラム解析でよく実行される PLL ランダム ジッターの測定に使用されます。
シンボル | K28.5 | D21.5 | K28.5 | D21.5 |
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ディスパリティ |
0
|
1
|
1
|
0
|
パターン |
0011111010
|
1010101010
|
1100000101
|
0101010101
|
図 1. 20 UI 方形波
リンク接続の検証やジッター耐性テスト用にエラー挿入ブロックがあります。PRBS パターンの反転バージョンが必要な場合は、CH*_TXPOLARITY 信号を使用して極性を制御します。
図 2. TX パターン ジェネレーター ブロック
パターン ジェネレーターは、生成したパターンにいつエラーを挿入するかを 2 つのモード選択によって制御できます。LEVEL モードでは、直前のサイクルで CH*_TXPRBSFORCEERR = High ならエラーが挿入されます。EDGE モードでは、CH*_TXPRBSFORCEERR が Low から High に遷移した直後のサイクルでしかエラーが挿入されません。次の図に、これらモードにおけるエラー挿入を示します。
図 3. LEVEL モードと EDGE モードのエラー挿入