リセットおよび初期化

Versal ACAP GTY および GTYP トランシーバー アーキテクチャ マニュアル (AM002)

Document ID
AM002
Release Date
2021-05-05
Revision
1.2 日本語

トランシーバーは、デバイスに電源を投入してコンフィギュレーションが完了後、使用する前に初期化が必要です。次の図に示すように、トランスミッター (TX) とレシーバー (RX) は、個別に並行して初期化できます。トランシーバーの TX および RX の初期化は、次の 3 つの手順で実行します。

  1. TX/RX を駆動する PLL を初期化
  2. 関連する ILO を初期化
  3. TX および RX データパス (PMA、DAPI、バッファー バイパス、PCS) を初期化
重要: RX データパス リセット信号は、Versal ACAPs Transceivers Wizard で実行する必要があります。 『Versal ACAP Transceivers Wizard LogiCORE IP 製品ガイド』 (PG331) を参照してください。

トランシーバーの TX および RX は、LCPLL または RPLL のいずれかからクロック信号を受信できます。TX/RX が使用する PLL (LCPLL/RPLL) は、ILO、TX および RX を初期化する前に初期化する必要があります。ILO は、関連する PLL がロックしてから初期化する必要があります。TX および RX が使用する PLL および ILO は個別にリセットされ、そのリセット動作はすべての TX および RX リセットから完全に独立しています。TX および RX データパスは、関連する PLL および ILO がロックしてから初期化する必要があります。

GTY トランシーバーには、上記のリセット手順をすべて自動で実行できるマスター リセット コントローラーがあります。マスター リセットを使用する場合、関連する PLL、ILO、および TX/RX データパスは、それぞれの TX および RX マスター リセット信号をトグルすることによって、適切な順番でリセットされます。

重要: デバイスのプログラミングまたは手動リセット シーケンスを開始する前に、トランシーバーへの基準クロックが使用可能になり、安定している必要があります。
図 1. トランシーバーの初期化の概要

トランシーバーの TX および RX は、ステート マシンを使用して初期化プロセスを制御します。このステート マシンは、複数のリセット領域に分割されています。これにより、リセット ステート マシンは、PMA を先にリセットして、TXUSERRDY または RXUSERRDY がアサートされた後に PCS をリセットするシーケンスでリセット プロセスを制御できます。また、通常動作時に必要に応じて、PMA、PCS、またはそれらの中にあるファンクション ブロックを個別にリセットすることも可能です。

トランシーバーには、初期化リセットおよびコンポーネント リセットの 2 種類のリセット方法があります。

  • 初期化リセット: このリセットは、トランシーバーを完全に初期化する場合に使用します。デバイスへの電源投入およびコンフィギュレーションが完了した後に実行してください。通常動作時は、必要に応じて、GTTXRESET および GTRXRESET を使用してトランシーバーの TX および RX を再初期化することも可能です。GTTXRESET は、トランシーバー TX 用の初期化リセット ポートです。GTRXRESET は、トランシーバー RX 用の初期化リセット ポートです。初期化リセット中は、TXRESETMODE および RXRESETMODE を シーケンシャル モードに設定しておく必要があります。TXPMARESETMASK、TXPCSRESETMASK、RXPMARESETMASK、および RXPCSRESETMASK のコンポーネント ビットをすべて High に設定し、TX PMA、TX PCS、RX PMA、および RX PCS のすべてのコンポーネントのリセットを有効にしておく必要があります。
  • コンポーネント リセット: このリセットは、トランシーバーの通常動作時、特殊なケースおよび特殊なサブセクションをリセットする場合に使用します。リセットが必要なコンポーネントは、TXPMARESETMASK、TXPCSRESETMASK、RXPMARESETMASK、または RXPCSRESETMASK の該当するビットを High に設定して選択します。TX のコンポーネント リセットは、GTTXRESET ポートをトグルしてトリガーします。RX のコンポーネント リセットは、GTRXRESET ポートをトグルしてトリガーします。コンポーネントごとのリセット ポートもあります。これには、EYESCANRESET、RXOOBRESET、RXCDRRESET、および RXPRBSCNTRESET が含まれます。

このセクションで説明するすべてのリセット ポートは、High 駆動時に内部リセット ステータス マシンを開始します。これらのリセット ポートが Low 駆動されるまで、内部リセット ステート マシンはリセット状態を保持します。これらのリセットはすべて非同期です。これらの非同期リセットのパルス幅ガイドラインは、特記のない限り、基準クロックの 1 周期分です。

注記: リセット ポートは、パワーダウンの目的では使用できません。パワーダウンの正しい使用方法の詳細は、パワーダウン を参照してください。