ループバック モードは、トラフィック ストリームが折り返してソースに戻るようにデータパスを構成するものです。通常は、特定のトラフィック パターンが送信され、エラーがないかをチェックするために比較されます。次の図に、ループバック テスト構成と 4 種類のループバック モードを示します。
図 1. ループバック テストの概略図
ループバック テスト モードは、大きく次の 2 つに分類されます。
- 近端ループバック モードの場合、送信データがトラフィック ジェネレーターに最も近接しているトランシーバーに戻ります。Versal ACAP の GTY トランシーバーでは、シリアル データは TX 差動出力ペアでも利用できます。
- 遠端ループバック モードの場合、受信データがリンクの最も遠い位置にあるトランシーバーに戻ります。Versal ACAP の GTY トランシーバーでは、受信データは、通常動作と同じように RXDATA インターフェイスに現れます。
ループバック テストは、開発段階またはシステム運用中に故障隔離を行うために実施できます。テストには、アプリケーション トラフィック パターンまたは擬似ランダム ビット シーケンスのどちらのトラフィック パターンも使用可能です。各トランシーバーに PRBS ジェネレーターおよびチェッカーが内蔵されています。
GTY トランシーバーは、テスト用にいくつかのループバック モードを備えています。
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近端 PCS ループバック (図 1 のパス ①)
近端 PCS ループバックを正しく機能させるには、RX エラスティック バッファーを有効にする必要があります。近端 PCS ループバックでは、RXPHYCLK ドメインには TXPHYCLK パラレル クロックによってクロックが供給されます。インターコネクト ロジックにクロックを供給するために CH*_RXOUTCLK が用いられ、通常動作時に RXOUTCLKSEL が RXPHYCLK に設定されている場合、GTY トランシーバーを近端 PCS ループバックに配置する際にこれら 2 つの設定値のうち 1 つを設定する必要があります。- RXOUTPCSCTL を選択するように RXOUTCLKCTL を設定する、または
- CH*_RXCDRHOLD =
1'b1
に設定する
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近端 PMA ループバック (図 1 のパス ②)
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遠端 PMA ループバック (図 1 のパス ③)
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遠端 PCS ループバック (図 1 のパス ④)