終端抵抗キャリブレーション回路

Versal ACAP GTY および GTYP トランシーバー アーキテクチャ マニュアル (AM002)

Document ID
AM002
Release Date
2021-05-05
Revision
1.2 日本語

トランシーバー クワッド カラム内にあるすべてのトランシーバー クワッド プリミティブで共有される抵抗キャリブレーション回路 (RCAL) が 1 つあります。MGTAVTTRCAL ピンおよび MGTRREF ピンを使用して、バイアス回路と外部キャリブレーション抵抗を RCAL 回路へ接続します。RCAL 回路は、Versal ACAP のコンフィギュレーション中にのみ抵抗キャリブレーションを実行します。コンフィギュレーション前には、すべてのアナログ電源電圧が供給され、Versal ACAP のデータシート で指定される耐性範囲内になる必要があります。どのクワッドでも電源グループ (PSG) 全体が使用されていない場合、MGTAVTTRCAL および MGTRREF をグランドに接続する必要があります。未使用のクワッドがある場合の RCAL バイアスの推奨事項の詳細は、アナログ電源ピン を参照してください。

RCAL 回路は、RCAL マスターである GTY トランシーバー クワッドに含まれます。RCAL マスターは、Versal ACAP のコンフィギュレーション中に終端抵抗キャリブレーションを実行し、カラム内のすべての GTY トランシーバー クワッドへキャリブレーションした値を分配します。RCAL 回路が配置されているクワッドに電源を投入する必要があります。

MGTAVTTRCAL ピンを、GTY_AVTT 電源ピンと 100Ω の外部精密抵抗のピンへ接続してください。抵抗のもう一方のピンは、MGTRREF ピンへ接続します。抵抗キャリブレーション回路によって、MGTRREF ピンへ接続されている抵抗に、制御された電流負荷が提供されます。そして、この回路は外部キャリブレーション抵抗における電圧降下を判断し、その値に基づいて抵抗キャリブレーション値を変更 (調整) します。抵抗キャリブレーションの品質は、MGTAVTTRCAL ピンおよび MGTRREF ピンでの電圧測定精度によって決まります。抵抗から Versal ACAP ピンまでのトレース間での電圧降下が原因で生じるエラーを回避するため、MGTAVTTRCAL ピンから抵抗までのトレース長および構造は、抵抗のもう一方のピンから MGTRREF ピンまでのトレース長および構造と同じにする必要があります。また、PCB トレースの最大 DC 抵抗を 0.5Ω 未満に制限する必要があります。次の図の推奨レイアウトを参照してください。

図 1. RCAL 抵抗の PCB レイアウト