CLKIN クロック ネットワークのスキュー調整

Versal アダプティブ SoC クロッキング リソース アーキテクチャ マニュアル (AM003)

Document ID
AM003
Release Date
2023-05-16
Revision
v1.5 日本語

MMCM の使用法として最も一般的なのが、クロック ネットワークのスキュー調整です。次の図に、このモードの MMCM を示します。CLKOUT カウンターのいずれか 1 つからのクロック出力を用いて、デバイスや I/O 内のロジックを駆動します。フィードバック カウンターは、入力クロックと出力クロック間の正確な位相関係 (90° 位相シフトさせるなど) を制御するために使用されます。入力クロックと出力クロック間の位相調整が必要な場合における関連クロックの波形を図の右側に示します。次の図に示す構成が最も柔軟性のあるものですが、2 つのグローバル クロック ネットワークが必要となります。

図 1. 2 つの BUFG を使用したグローバル クロック ネットワークのスキュー調整

フィードバックの実装にはいくつかの制約があります。CLKFBOUT 出力は、フィードバック クロック信号としても使用できます。MMCM が BUFG および BUFGCTRL の両方を駆動している場合、フィードバック パスでも使用されるこれらのクロック バッファーのうちの 1 つしかスキュー調整されません。基本的な制約として 2 つの PFD に対する入力の周波数は同一でなければなりません。したがって、次の関係を満たす必要があります。

たとえば、Fin = 166MHz、D = 1、M = 15、および O = 20 の場合、VCO = 2490MHz でクロック出力周波数は 124.5MHz となります。フィードバック パスの M 値は 15 であるため、PFD での 2 つの入力周波数は 166MHz です。

もう少し複雑な例として、入力周波数が 66.66MHz で、D = 2、M = 100、O = 8 の場合を考えてみます。この場合、VCO の周波数は 3333MHz で CLKOUT 出力の周波数は 416.625MHz となります。したがって、PFD のフィードバック周波数は 3333/100 または 33.33MHz で、PFD の入力周波数 66.66MHz/2 に一致します。