MMCM

Versal ACAP クロッキング リソース アーキテクチャ マニュアル (AM003)

Document ID
AM003
Release Date
2022-05-24
Revision
1.4 日本語

MMCM は幅広い周波数に対応する周波数シンクロナイザー回路や外部または内部クロック用のジッター フィルターとして機能し、クロックのスキュー調整にも活用できます。

クロック入力の接続によって、複数のリソースから MMCM に基準クロックを供給できます。出力カウンター (分周器) は 7 つあります。MMCM の出力カウンターおよびフィードバック カウンターの入力には 32 ステップの位相インターポレーター (PI) が接続されています。このため、いずれの方向にも無制限のファイン (高精度な) 位相シフトが可能で、ダイナミック位相シフト モードで使用できます。ファイン位相シフトの分解能は、VCO 周波数の 1/32 です。整数分周出力カウンターに加え、MMCM はΣΔ モジュール (SDM) を使用して分数フィードバック分周値もサポートできます。これにより、分解能 1/(26) (6 ビット) のクロック逓倍器を利用でき、クロック周波数合成の能力が従来よりも向上してい2ます。新しい分数分周は、CLKFBOUT カウンター M でサポートされます。CLKOUT0 の分数分周機能は廃止されました。

MMCM にはスペクトラム拡散クロックを生成する機能もあり、クロック周波数を非常にゆっくりと変化させてクロックの電磁 (EM) エネルギーを特定の周波数バンドに拡散できます。これにより、単一周波数での最大 EM エネルギーが減少します。MMCM のスペクトラム拡散機能が使用されない場合、外部からの入力クロックのスペクトラム拡散はフィルターされないため、出力クロックに渡されません。

入力マルチプレクサーは、グローバル クロック I/O またはクロック配線/分配配線リソースからの基準クロックおよびフィードバック クロックを選択します。各クロック入力にはプログラマブルな分周器 (D) があります。位相周波数検出器 (PFD) は入力 (基準) クロックとフィードバック クロックの立ち上がりエッジの位相と周波数を比較します。最小限の High/Low のパルスが維持されていれば、デューティ サイクルはそれほど重要ではありません。PFD を使用して、2 つのクロック間の位相と周波数に比例した信号が生成されます。この信号でチャージ ポンプ (CP) とループ フィルター (LF) を駆動し、VCO に対する基準電圧を生成します。また、PFD は、VCO 周波数の増加/減少を決定するアップ信号またはダウン信号を CP および LF に送ります。VCO の動作周波数が高すぎる場合は PFD がダウン信号を有効にし、これによって制御電圧が減圧されて、VCO の動作周波数が低くなります。VCO の動作周波数が低すぎる場合は、アップ信号によって電圧が増圧されます。VCO は 8 つの 45° 出力位相を生成し、これが 8 つの PI に入力されます。PI は 8 つの VCO 位相を 32 の VCO 位相に変換します。PI の各出力は、対応するカウンター (O または M カウンター) に入力されます。どの出力位相も、カウンターに対する基準クロックとして選択できます (下図参照)。カウンターは、カスタム デザインに応じてそれぞれ独立してプログラムできます。これ以外に、特別なカウンター M も用意されています。このカウンターは MMCM のフィードバック クロックを制御し、幅広い周波数合成を可能にします。

スキュー調整サブブロックは、2 つのスキュー調整位相検出器 (PD) と位相インターポレーター (PI) で構成されます。各 PI は、2 つのスキュー調整 PD のうちの 1 つ、または位相シフト インターフェイスのいずれかで制御できます。各スキュー調整 PD は 2 つのクロック入力 CLKIN1_DESKEW/CLKIN2_DESKEW および CLKFB1_DESKEW/CLKFB2_DESKEW を入力とし、スキュー調整ネットワークで制御される PI を調整し、これら 2 つのクロックの立ち上がりエッジどうしの遅延が 0 となるように駆動します。クロック入力セットの要件の詳細は、スキュー調整の動作 を参照してください。

重要: このスキュー調整方法を使用した MMCM/XPLL/DPLL 出力クロックは、ほかの出力クロックと位相が揃っていません。

位相シフト インターフェイス システムもあります。PI は、制御なし (使用しない)、2 つのスキュー調整 PD のうちの 1 つで制御、または位相シフト インターフェイスで制御のいずれかを選択できます。PI を位相シフト インターフェイスで制御すると、MMCM がロックして動作中も位相シフト量を 1 ステップ単位で動的に増減できます。これには、フィードバック PI (PIFB) も含まれます。

図 1. MMCM のブロック図