MMCM のプログラム

Versal アダプティブ SoC クロッキング リソース アーキテクチャ マニュアル (AM003)

Document ID
AM003
Release Date
2023-05-16
Revision
v1.5 日本語

安定性とパフォーマンスの確保されたコンフィギュレーションを実現するには、一定のフローに従って MMCM をプログラムする必要があります。ここからは、具体的なデザイン要件に基づいた MMCM のプログラム方法を説明します。デザインをインプリメントするには、GUI インターフェイス (クロッキング ウィザード) を使用する方法と MMCM をインスタンシエートする方法の 2 通りあります。どちらの方法でも、MMCM をプログラムするには次の情報が必要です。

  • 基準クロック周期
  • 出力クロック周波数 (最大 7 つ)
  • 出力クロック デューティ サイクル (デフォルト 50%)
  • 出力クロックの位相シフト (最初の位相 0 を基準とした度数で指定)
  • MMCM の帯域幅 (デフォルトは OPTIMIZED。帯域幅はソフトウェア ツールで選択)
  • 補正モード (ソフトウェア ツールで自動的に決定)
  • 単位が UI の基準クロック ジッター (つまり、基準クロック周期の比率)

入力周波数、D、M、および O の値は、次の式で求めることができます。

パフォーマンスを最大にするには、次のガイドラインに従ってください。

  • M 値を小さくするには、入力/基準クロックの周波数を可能な限り高くします。これにより PLL の帯域幅が高くなり、基準クロックのノイズをフィルターしやすくなります。

MMCM を直接インスタンシエートする場合は、D、M (M+F) および O (7 つの可能な O 値) を手作業で計算する必要があります。M および D の許容値は、次の式で求めることができます。









入力周波数が決定すると、M および D 値がある程度決まります。次に、最適な M および D 値を指定します。まず M の開始値を決定します。この値は、VCO ターゲット周波数、つまり VCO の理想的な動作周波数に基づいて決定します。



M は値 M+(F/26) を表します。M は整数値、F は分数 n を求めるための整数値です。



ここでは、VCO の理想周波数に最も近くなる M 値を決定します。また、プロセスの開始には D の最小値を使用します。FVCO を可能な限り高くすると同時に、最小の D および M 値を指定するようにします。