VCO と出力カウンターの波形についての詳細

Versal アダプティブ SoC クロッキング リソース アーキテクチャ マニュアル (AM003)

Document ID
AM003
Release Date
2023-05-16
Revision
v1.5 日本語

次の図に、8 つの VCO 位相出力と 4 つのそれぞれ異なるカウンター出力を示します。各 VCO 位相は、適切なスタートアップ シーケンスで示されています。位相関係およびスタートアップ シーケンスは、適切な位相が維持されるようになっています。つまり、0° 位相の立ち上がりエッジは 45° 位相の立ち上がりエッジよりも前にあることになります。O0 カウンターは、基準クロックとして、位相タップが 0° の単純な 2 分周を実行するようプログラムされています。O1 カウンターは、単純な 2 分周を実行するようプログラムされていますが、VCO からの 180° の位相タップを使用します。このカウンター設定を使用すると、基準クロックのエッジに揃えられてデータが送信される DDR インターフェイス用のクロックが生成できます。O2 カウンターは 3 分周するようプログラムされています。O3 の出力は O2 の出力と同じようにプログラムされていますが、位相が 1 サイクル遅れている点が異なります。VCO の 1 周期を超える位相シフトが可能です。

図 1. VCO の位相の選択

MMCM が特定の位相関係を実現するよう設定されているときに入力周波数が変化すると、この位相関係も変化します。これは、VCO の周波数が変わるためにピコ秒単位の絶対位相も変化するためです。MMCM を使用して設計する際は、この点を考慮する必要があります。複数のクロック出力間 (CLK と CLK90 など) の位相関係を維持する必要のあるデザインでは、入力クロック周波数にかかわらず、この関係は保持されます。

すべての「O」カウンターはどれも同じ機能を持つため、O0 でできることは O1 でも可能です。このため、MMCM の出力をグローバル クロック ネットワークに接続すると出力を柔軟に使用できるようになります。通常、このレベルの詳細設定は MMCM 属性およびクロッキング ウィザードでの入力に従ってソフトウェアやクロッキング ウィザードで適切に指定されるため、認識されません。