グローバル クロックは、すべてのクロック入力とデバイスのさまざまなリソースを接続するための専用ネットワークです。このネットワークは、スキュー、デューティ サイクルの歪み、消費電力を抑え、ジッター耐性が向上するように設計されています。また、非常に高い周波数の信号をサポートするようにも設計されています。
Versal デバイスのグローバル クロック ネットワークの達成可能な最大周波数は、クロック配線とクロック範囲によって決まります。グローバル クロック ネットワークがサポートする周波数を最大にするには、次に示す推奨事項に従います。この推奨事項を実装する方法の詳細は、 『Versal アダプティブ SoC ハードウェア、IP、およびプラットフォーム開発設計手法ガイド』 (UG1387) を参照してください。
- クロック ルートへのクロック配線の距離を最小限に抑える。
- クロック ルートをクロック拡張ウィンドウの中央のクロック領域に設定する。
- クロック ルートを PL クロック領域内に割り当てることにより、GT カラム内へのクロック配線を避ける。
Vivado ツール 2023.1 およびそれ以降では、クロック配線に基づいて Vivado タイマーが各クロック ネットの Fmax を自動的に計算し、タイミング サマリ レポートのワースト パルス幅スラック (WPWS) にスラックを報告します。
グローバル クロックの信号パスを理解すると、さまざまなグローバル クロック リソースについても理解できるようになります。グローバル クロック リソースとネットワークには、次のパスおよびコンポーネントが含まれます。
- クロック構造
- クロック バッファー
- BUFGCTRL クロック バッファーのプリミティブ
- BUFGCTRL のその他の使用モデル
- BUFGCE および BUFGCE_DIV クロック バッファー
- BUFG クロック バッファー
- BUFG_GT クロック バッファー
- BUFG_PS クロック バッファー
- BUFG_FABRIC バッファー (グローバル クロック リソースではなく、ファンアウトの大きい、クロック以外のネットを配線するため)
各ウィンドウの詳細は、このセクションで後述します。