分数分周の使用

Versal アダプティブ SoC クロッキング リソース アーキテクチャ マニュアル (AM003)

Document ID
AM003
Release Date
2023-05-16
Revision
v1.5 日本語

Versal デバイスはフィードバック パスで分数 (非整数) 分周をサポートしており、分数の VCO 周波数を得ることができます。分数分周の方法は AMD UltraScale™ デバイスから変更され、ΣΔ モジュール (SDM) を使用した分数分周モードが導入されました。これにより、MMCM は UltraScale デバイスでサポートされる分解能 0.125 よりもはるかに細かい 6 ビット分解能の分数分周比をサポートします。CLKOUT0 出力カウンターの分数分周機能はなくなりました。MMCM は 6 ビット分数係数をサポートしており、これまでよりもはるかに高い分解能で周波数を合成できます。

整数モードを使用する場合は、分数 SDM を無効にする必要があります。MMCM のフィードバック分周の分数係数は 6 ビット幅のため、n/64 (n = 1、2、…、63) すなわち 1/(26)、2/(26)、...、63/(26) で表される任意の分数値に周波数を設定できます。分数モードの場合、最良のジッター性能を得るため、VCO 動作範囲内で最も高い VCO 周波数が得られる M 値を選択することを推奨します。ただし、Versal デバイスで報告されているクロックのばらつきに影響を与えるのは出力周波数と入力ジッターのみであるため、Vivado ツールは改善をモデル化しません。分数分周を使用する場合、必要な設定はすべてクロッキング ウィザードが自動で決定します。