デバイス リソース

Versal ACAP DSP エンジン アーキテクチャ マニュアル (AM004)

Document ID
AM004
Release Date
2022-09-11
Revision
1.2.1 日本語

DSP リソースは Versal® ポートフォリオ全体で最適化されており、異なるリソース量のデバイスがスケーラブルに用意されています。アーキテクチャは共通のため、インプリメンテーションの効率、IP インプリメンテーション、デザイン移行が改善されます。Versal ポートフォリオ内での移行では、DSP58 に関するデザイン変更は一切不要です。 UltraScale™ アーキテクチャから Versal アーキテクチャへの移行の場合は、DSP58 は DSP48E2 のスーパーセットであるため、DSP48E2 のインスタンシエーションが DSP58 に変換されます。

DSP スーパー タイルを垂直方向に積み重ねたものが、DSP スーパー カラムです。DSP スーパー タイルの高さは、コンフィギャラブル ロジック ブロック (CLB) 2 個分と同じです。これは 18K ブロック RAM 1 個分、または 288K UltraRAM の半分と同じ高さです。18K ブロック RAM 2 個を垂直方向に積み重ねると、36K ブロック RAM となります (下図参照)。

図 1. DSP スーパー カラムと RAM リソース

Versal ACAP (Adaptive Compute Acceleration Platform) の DSP カラムは、1 つのクロック領域に 48 個の DSP58 があります。Versal アーキテクチャでは DSP58 は常に 2 個がペアで存在するため、1 つのクロック領域の 1 つのカラムには 96 個の DSP58 があります。DSP58 は、複数のクロック領域にまたがってデバイスの境界まで、または SSI テクノロジを採用した 3D IC の場合は SLR (Super Logic Region) の境界までカスケード接続できます。1 つのカラムでカスケード接続が可能な DSP の数は、次の Tcl コマンドで確認できます。

expr {[llength [get_sites DSP_X0* -of_objects [get_slrs SLR0]]]}

次の表に、Versal ACAP のカラム内で垂直方向に直接カスケード接続可能な DSP58 の最大数と DSP58 の総数を示します。

表 1. Versal ACAP でカスケード接続可能な DSP58 の最大数
デバイス名 カスケード接続可能な最大数 DSP58 の数
VM1102 116 464
VM1302 212 848
VM1402 212 1696
VM1502 164 1312
VM1802 164 1968
VM2202 164 1312
VM2302 334 1904
VM2502 166 3984
VM2902 334 2672
VC1352 116 928
VC1502 164 1032
VC1702 164 1312
VC1802 164 1600
VC1902 164 1968
VC2602 164 984
VC2802 164 1312