前置加算器

Versal ACAP DSP エンジン アーキテクチャ マニュアル (AM004)

Document ID
AM004
Release Date
2022-09-11
Revision
1.2.1 日本語

DSP58 には 27 ビット前置加算器があり、A または B レジスタ パスに挿入されています (図 1 参照。詳細図は 図 1)。前置加算器を使用すると、乗算器への入力前に加算や減算を実行できます。前置加算器は飽和演算ロジックを持たないため、演算中にオーバーフローまたはアンダーフローしないよう、入力オペランドを 26 ビット (B パスの場合は 23 ビット) の 2 の補数の符号拡張データに制限する必要があります。また、前置加算器をバイパスして D を乗算器への入力パスにすることもできます。D パスを使用しない場合、A または B パイプラインの出力は乗算器への入力前にネゲートできます。前置加算器ブロックには、前置加算器の 2 乗機能を含む最大 15 の動作モードがあり、きわめて柔軟に活用できます。

次に示す式では、A (または B) と D が前置加算器/減算器を介して最初に加算されます。その結果が B (または A) に乗算された後、乗算結果が C 入力に加算されます。次に示す式により、効率的な対称フィルターを実装できます。