信号を表現するサンプルの数を増やすことを、補間またはアップサンプリングと呼びます。補間は、医用画像処理や SDTV/HDTV 変換などのアプリケーションで使用します。次の図に、12 タップの 1:4 インターポレーターを示します。1:4 補間を実行すると、1 つの入力サンプルに対して 4 つの出力サンプルが得られます。12 タップとは、4 つの出力サンプルを計算するために使用する係数が 12 つあることを意味します。入力サンプル (x)、係数 (h)、および出力サンプル (y) の関係を次式に示します。
y0 = (h0 × xn) + (h4 × xn – 1) + (h8 × xn – 2)
y1 = (h1 × xn) + (h5 × xn – 1) + (h9 × xn – 2)
y2 = (h2 × xn) + (h6 × xn – 1) + (h10 × xn – 2)
y3 = (h3 × xn) + (h7 × xn – 1) + (h11 × xn – 2)
図 1. 12 タップ 1:4 インターポレーター
補間 FIR フィルター デザインでは、位相は DSP58 の数に関係し、係数の数はメモリ深さ (RAM を使用した場合) またはレジスタの数 (SRL16 を使用した場合) に関係します。前の図では、12 個の係数を DSP58 で循環させています。これらの係数はシフト レジスタ (SRL16) またはメモリに格納し、各 DSP58 でグループ化できます。
このユース ケースに関連するリファレンス デザイン ファイルは、デザイン アーカイブ ファイル am004-versal-dsp-engine.zip の multirate_FIR/polyphase_interpolating_FIR ディレクトリにあります。