HD IOB の機能

Versal アダプティブ SoC SelectIO リソース アーキテクチャ マニュアル (AM010)

Document ID
AM010
Release Date
2024-03-18
Revision
1.5 日本語

IOSTANDARD 属性

すべての I/O バッファーに I/O 規格の値を選択する場合、IOSTANDARD 属性を使用します。サポートされる I/O 規格は、HD IOB でサポートされる規格 に記載されています。IOSTANDARD 属性は、XDC ファイルで次のような構文を使用します。
set_property IOSTANDARD value [get_ports port_name]

内部 VREF

HSTL (HSTL_I_18、DIFF_HSTL_I_18) および SSTL (SSTL18_I、DIFF_SSTL18_I) 規格のレシーバーには、入力スイッチングのしきい値を定義するための基準電圧 VREF が必要です。HD IOB では、この電圧レベルには内部の VCCO/2 を使用します。HD IOB では、VREF は常に内部で生成され、基準電圧を有効にするために設定が必要な属性はありません。VREF を必要とする入力をデザインで使用する場合、基準電圧は自動的に推論されます。内部 VREF を使用する規格の一覧は、HD IOB でサポートされる規格 を参照してください。

駆動能力の制御

LVCMOS ドライバー (LVCMOS33、LVCMOS25、LVCMOS18) および LVTTL ドライバーは出力駆動能力の制御をサポートしており、駆動される負荷に合わせてドライバーの出力能力を調整します。DRIVE 属性に 4、8、または 12 を割り当てると、HD IOB ドライバーは 4mA、8mA、または 12mA の負荷に対してそれぞれ有効なロジックしきい値を満たすことができます。DRIVE 属性は、XDC ファイルで次のような構文を使用します。
set_property DRIVE value [get_ports port_name]

スルー制御

すべての LVCMOS (LVCMOS33、LVCMOS25、LVCMOS18) および LVTTL ドライバーは、スルー レート オプションとして FAST と SLOW をサポートしています。これらのオプションを使用して、ドライバーのエッジ レートを最適化できます。SLEW 属性は、XDC ファイルで次のような構文を使用します。
set_property SLEW value [get_ports port_name]

キャリブレーションなしのオンダイ終端 (ODT)

HD IOB には、HSTL (HSTL_I_18、DIFF_HSTL_I_18) および SSTL (SSTL18_I、DIFF_SSTL18_I) I/O 規格用にキャリブレーションなしの入力分割終端があります。ODT 属性で指定できる値は、RTT_48 と RTT_NONE です。これにより、等価終端を 48Ω にするか、ODT を明示的に無効にするかを定義します。ODT 属性は、XDC ファイルで次のような構文を使用します。
set_property ODT value [get_ports port_name]
図 1. 分割終端を使用した VCCO/2 への入力終端

PULLUP、PULLDOWN、KEEPER

すべての HDIO ピンは VCCO への弱い内部 PULLUP バイアス、GND への弱い内部 PULLDOWN、または最後に駆動したピンの電圧に基づいて VCCO へのプルアップまたは GND へのプルダウンを実行する弱い内部 KEEPER 回路を有効にできます。この機能を使用するには、バッファーのネットに対する PULLTYPE 属性に次の制約値を追加します。
  • NONE
  • PULLUP
  • PULLDOWN
  • KEEPER
これらの属性は、XDC ファイルで次のような構文を使用します。
set_property PULLTYPE value [get_ports port_name]