レシーバーの VREF レベルの調整

Versal ACAP SelectIO リソース アーキテクチャ マニュアル (AM010)

Document ID
AM010
Release Date
2022-10-21
Revision
1.4 日本語

カスタム レシーバーの VREF レベルを調整するには、XPIO_VREF プリミティブを適用し、FABRIC_VREF_TUNE ポートを使用して特定の電圧レベルを割り当てます。XP I/O バンクにはオプションの VREF スキャン機能があり、入力バッファーの内部 VREF を微調整し、一部の I/O 規格の性能を最大化できます。次の図に示すように、これらの機能は IBUFE3 および IOBUFE3 の各プリミティブと XPIO_VREF プリミティブを用いて有効にします。VREF スキャンを使用するには、入力を調整および監視して最適な VREF しきい値を見つける制御ロジックをインターコネクト ロジック デザイン内に構築する必要があります。

図 1. VREF スキャンへのアクセス


次の図に示すように、XPIO_VREF プリミティブを使用した内部 VREF 調整機能により、同じバンク内の 6 つの連続する I/O (1 つのニブル グループ) の VREF が制御されます。VREF 仕様の異なる I/O 規格の入力は、同じバンク内に配置できません。調整された VREF 接続 (XPIO_VREF プリミティブの VREF 出力) は、ニブルの境界を通過できません。

FABRIC_VREF_TUNE には、次に示すように VCCO の割合としてのスケーリング係数 (10 ビット値) を入力します。

図 2. VREF スキャンのスケーリング係数

たとえば FABRIC_VREF_TUNE = 10000000002 の場合、VREF は VCCO の約 50% となります。

重要: LVSTL_11 および LVSTL06_11 を除くすべての規格では、入力信号は VREF の 50% にスケーリングされます。VREF スキャンの値は、スケーリング後の値を考慮して選択する必要があります。たとえば、SSTL12 のターゲット VREF は VCCO の 50% であるため、入力信号がレシーバーに到達する前にスケーリングされることを考慮すると、VREF スキャン値を 01000000002 (VCCO の 25%) とする必要があります。Vivado ツールで報告される VREF レベルは、常に入力ピン レベル (スケーリングなし) を基準としています。
図 3. バンク内のニブルごとの VREF スキャン接続
表 1. XPIO_VREF プリミティブの属性
属性 説明
ISTANDARD VREF_NIB を VREF_MC に設定した場合、NIBBLE 内で使用される IOSTANDARD。
VREF_NIB VREF レベル制御のソースを記述。VREF_NIB、VREF_RIU、VREF MC のいずれかを選択できます。レベルのファブリック制御のために XPIO_VREF 属性をインスタンシエートする場合は、VREF_FABRIC を使用する必要があります。ニブルが ISTANDARD の規格で定義されたデフォルトの VREF レベルを使用している場合は、VREF_MC を使用できます。XPHY を使用する場合は、VREF_RIU が使用されます。
表 2. XPIO_VREF のポート
ポート 説明
FABRIC_VREF_TUNE<9:0> VREF の目標レベルを定義。
VREF IBUFE3 または IOBUFE3 プリミティブの VREF ポートに接続されるポート。