AMD では、パッケージ側のランド パッド径に関するデータを提供しています。ボードのレイアウトを設計するにあたって、ボード パッドをコンポーネント側のランドの形状と一致するよう設計するために、このデータが必要になります。次の図にランド パッドの各部の直径を示し、次の表にそれらの標準値を示します。AMD BGA パッケージでは、ボードに NSMD (非はんだマスク定義) パッドを使用することを推奨します。これによって、次の図に示すように、ランド金属 (直径 L) とはんだマスクの開口部 (直径 M) の間に隙間ができます。
図 1. BGA パッケージでの推奨はんだパッド レイアウト
フリップチップ BGA パッケージ | 1.0mm ピッチ | 0.92mm ピッチ | 0.80mm ピッチ |
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デザイン ルール | BGA パッケージ、NSMD 寸法 (mm、ミル) | ||
パッケージのランド パッド開口部 (SMD) | 0.53mm (20.9 ミル) | 0.53mm (20.9 ミル) | 0.40mm (15.7 ミル) |
PCB はんだランド (L) の最大直径 | 0.53mm (20.9 ミル) | 0.51mm (20.0 ミル) | 0.40mm (15.7 ミル) |
PCB はんだマスク開口部 (M) の直径 | 0.63mm (24.8 ミル) | 0.61mm (24.0 ミル) | 0.50mm (19.7 ミル) |
はんだボール ランドのピッチ (e) | 1.00mm (39.4 ミル) | 0.92mm (36.2 ミル) | 0.80mm (31.5 ミル) |
次の図に NSMD PCB パッドのはんだ接合部の例を示します。NSMD パッドとはんだマスクの間隔、および実際の信号トレース幅は、PCB ベンダーによって異なります。ライン幅および間隔が狭くなると、PCB のコストが高くなります。
推奨: PCB パッドから分離された VIPPO (Via-In-Pad Plated Over) と VIPPO 以外のデザイン スタイルを混在させることを AMD は推奨していません。これは、VIPPO ビアとそれ以外のビアでは局所的な Z 方向の熱膨張率が異なるため、これらを混在させると熱間割れと呼ばれる欠陥が生じることがあるためです。熱膨張率が小さいのは、VIPPO ビアの方です。
推奨: SMD (はんだマスク定義) 方式と NSMD (非はんだマスク定義) 方式の PCB パッドを混在させると、はんだブリッジの欠陥が生じることがあるため、AMD はこれらの混在を推奨していません。混在の必要がある場合は、委託製造業者 (CM) と相談の上、ステンシル設計とアセンブリ プロセスを最適化してください。
推奨: パッケージ名が V または L で始まるもの (例: VSVA2197、LSVA3112) は、ランド側キャパシタ (LSC) 直下の領域をはんだマスクで覆う必要があります。LSC 領域の PCB 最上位層にトレースを配線する場合、はんだマスクとキャパシタ間のクリアランスを確保する必要があります。一般に、取り付け面 (PCB) とキャパシタ表面の間のクリアランスは 0.13mm とします。パッケージごとの LSC の位置および関連寸法は、外形図 を参照してください。
図 2. NSMD PCB パッドのはんだ接合部の例