エッジ ボンディングの実装

Versal アダプティブ SoC パッケージおよびピン配置 アーキテクチャ マニュアル (AM013)

Document ID
AM013
Release Date
2023-09-28
Revision
1.4 日本語
エッジ ボンディングでは、表面実装後のパッケージ外周にエポキシ樹脂材料を塗布します。AMD デバイスには、エッジ ボンディング材料として Zymet 社 UA-2605-B を使用してください。この手法はコンポーネントのリワークを可能にするもので、通常の動作条件における基板の膨張や反りを抑えることにより、実装したコンポーネントの堅牢性を改善します。インライン式はんだ付け装置を使用して接着剤を塗布する場合、AMDは次の表に示すパラメーターを推奨します。
表 1. エッジ ボンディングのプロセス パラメーター
プロセス パラメーター 範囲仕様
ニードル サイズ 範囲: 25 ~ 15 ゲージ、ただしニードル直径 (D) 代表値は 20 ゲージ (0.91mm)
ニードル高さ

範囲: デバイス エッジの中心点より上、またはデバイス上面から 0 ~ 1.5mm 下

推奨値: デバイス上面から 1.0mm 下

ニードルとエッジの間隔

範囲: ニードル外周直径 (D) の 1/2 ~ 3/4

推奨値: ニードル外周直径の 1/2 (D/2) = 約 1.0mm



ニードルの塗布速度 範囲: 0.1 ~ 200mm/秒 (代表値 6mm/秒)
バルブ圧 範囲: 10 ~ 60psi (代表値 14.5psi)

接着剤は、実装後のコンポーネント外周に沿って塗布します。接着剤の幅は 2.5 ~ 3.0 mm とし、高さは基板高さの 50 ~ 90% とします。コンポーネント外周の各辺中央部は、接着剤を塗布せず空けておきます (下図参照)。これは、製造工程で膨張した空気を外に逃がすための開口です。AMDは、各辺中央の開口幅をパッケージ基板長さの 25 ~ 30% とすることを推奨しています。開口の実際の位置とサイズは、個々のデザインおよびリワークに応じて変更できます。

パッケージと PCB 間を確実に接合させるため、エッジ ボンディングでは、パッケージ基板の下にエッジ ボンディング材料を 1.8 mm まで浸透させる必要があります。共平面性が 200 µm 以下のパッケージで BGA ピッチが 1 mm または 0.92 mm の場合、熱サイクル、電源サイクル、衝撃および振動などの要件の物理的認定試験に合格するには、この要件を満たす必要があります。これは通信、産業用、データセンターなど特殊なアプリケーションで求められます。

重要: 一部のパッケージ デバイスでは、オーバーハング基板を採用しているために BGA の最初の行がエッジ ボンディング材料に覆われないことがあります。また、BGA の最初の行が最大 90% までエッジ ボンディング材料に覆われること場合もあります。次の例を参照してください。
図 1. エッジ ボンディングの例

図 2. エッジ ボンディング用接着剤の塗布パラメーター

エッジ ボンディング周囲のコンポーネントの隙間

AMD デバイスの周囲に隣接するコンポーネントには、エッジ ボンディング塗布装置がエッジ ボンディング用接着剤を塗布できるように、30° ~ 45° の隙間が必要です。周囲のコンポーネントの高さとデバイスからの距離は、各製品のデザイン レイアウトに基づいて検証されます。