ヒートシンクの取り付け方法の種類

Versal アダプティブ SoC パッケージおよびピン配置 アーキテクチャ マニュアル (AM013)

Document ID
AM013
Release Date
2023-09-28
Revision
1.4 日本語

ヒートシンクの取り付け方法は 6 種類あります。次の表に、それぞれの長所と短所を示します。

  • 熱伝導性テープ
  • 熱伝導性の接着剤
  • Z 形状のワイヤ クリップ
  • プラスチック クリップ
  • ねじ式スタンドオフ (PEM) と圧縮バネ
  • 押しピンと圧縮バネ
表 1. ヒートシンクの取り付け方法
取り付け方法 長所 短所
熱伝導性テープ
  • 一般的に取り付けが簡単で安価
  • アルミニウム ヒートシンクの取り付けには最も低コストな方法
  • PCB 上で追加スペースを確保する必要がない
  • テープがしっかりと接着するように、ヒートシンクとチップの表面をきれいに掃除する必要がある
  • 接触部分が小さいため、接着力が弱い可能性がある
  • テープの熱伝導性は中~低程度のため、ヒートシンクの性能が十分に発揮されないことがある
熱伝導性の接着剤
  • 優れた機械的接着
  • テープよりは高価だが比較的安価
  • PCB 上で追加スペースを確保する必要がない
  • 接着手順が難しく、使用する接着剤の量の調節が困難
  • リワークが困難
  • 接触部分が小さいため、接着力が弱い可能性がある
Z 形状のワイヤ クリップ
  • 強力で安定した機械的取り付けが可能。衝撃や振動テストを実行する必要がある環境では、この強力な取り付け方法が必要。
  • 取り付けと取り外しが簡単。半導体を破損することがない (エポキシ樹脂やテープはデバイスを破損させる可能性がある)。
  • TIM にプリロードが印加される。実際、このプリロードによって、熱伝導能力が向上する。
  • PCB 上に固定器具用のスペースが必要
プラスチック クリップ
  • PCB 上のスペースに限りがあるデザインに最適
  • PCB ボードを傷付けることなくヒートシンクを取り外しできるため、リワークが簡単
  • 衝撃や振動テストに対応できる十分な固定力がある
  • クリップを使用するため、シリコン デバイス周囲にスペースが必要
  • 局部的な刺激により、はんだボールやチップ基板が損傷する可能性があるため、クリップの取り付け/取り外しには注意が必要
ねじ式スタンドオフ (PEM) と圧縮バネ
  • 熱源へ安定した固定ができ、PCB、バッキング プレート、またはシャーシへ荷重を伝達できる
  • 質量の大きいヒートシンクを固定するのに最適
  • チップやはんだボール上にかかる実装時の力や荷重を厳密に管理できる
  • PCB 上に穴を開ける必要があり、ラインとして使用できる貴重なスペースを使用する必要がある
  • 高価になる傾向がある。特に、スタンドオフを使用するために、ドリルで穴を開けるか、または PCB 上にあらかじめ穴が開いたものを調達する必要がある
押しピンと圧縮バネ
  • 熱源へ安定した固定ができ、PCB へ荷重を伝達できる
  • チップやはんだボール上にかかる実装時の力や荷重を厳密に管理できる
  • PCB 上に押しピン用のスペースが必要