ヒートシンクの取り外し

Versal アダプティブ SoC パッケージおよびピン配置 アーキテクチャ マニュアル (AM013)

Document ID
AM013
Release Date
2023-09-28
Revision
1.4 日本語
ヒートシンクを取り外したりリワークしたりする場合は、ダイ表面に残っている相変化材料を除去する必要があります。相変化材料をコンポーネントから完全に除去する方法として、Laird Technologies 社が次のガイダンスを示しています。

相変化材料除去に関するガイドライン

  1. コンポーネントを分離する

    可能な場合は、室温でヒートシンクを左右の方向にねじって、相変化 TIM と接着しているコンポーネント (ヒートシンクと Versal デバイス) の間の接着剤をはがします。次の図を参照してください。

    図 1. TIM と両方のコンポーネント間の接着剤をはがす

    一般に、コンポーネントのサイズが 15mm x 15mm 以下と小さい場合、接着剤は室温で容易にはがれます。コンポーネントのサイズが大きく、上記のようにねじる動作が難しい場合、または壊れやすいコンポーネントを使用している場合は、コンポーネント (推奨) またはヒートシンクを約 40°C ~ 60°C まで熱してから取り外します。

    ガイドラインでは 40°C ~ 60°C と指定していますが、アプリケーションによっては 35°C まで加熱すれば十分なこともあります。また、70°C まで加熱した方が相変化 TIM が柔らかくなり、容易に分離できることもあります。

  2. 相変化材料を大まかに取り除く

    相変化材料を手早く除去するには、コンポーネントを分離した後、残っている相変化材料をプラスチック製または木製のへらでこそぎ落とします。乾いたきれいな布で拭い取ってもかまいません。

  3. 残りの相変化材料を溶剤で拭き取る

    きれいな布に下記いずれかの溶剤を含ませて残りの相変化材料を拭き取ります。

    • トルエン (最も簡単)
    • アセトン (非常に良好)
    • イソパラフィン系炭化水素: Isopar、Soltrol (商品名) (非常に良好)
    • イソプロピル アルコール (OK)
  4. Laird Technologies 社の相変化材料の取り扱い

    Laird Technologies 社が提供する相変化材料の安全な取り扱い、廃棄方法、健康上の注意点は、同社の材料の安全性に関するデータシート (MSDS) に記載されています。この材料を使用または取り扱う前に、この MSDS をお読みください。Laird Technologies 社のウェブサイトで参照できます。